問い

やっと調子が戻ってきて、頭を動かせそうな気配になってきた。目前の解決したい「小さい問い」はいくつもあり、これらをぱぱぱーとやっつけるとリズムがでてくる。そのうち、もっとも頭の主要部を占有しているのは、ガラス状転移の計算方法である。岩田さんと議論をすすめながら粗筋はつくったが、具体的な計算の困難がまだ解消されていない。絶対にできる、と確信しているが、少し奇妙なことがあって停滞している。

たとえば、パタン形成のときの特異摂動は、分岐点での臨界モードを分離すればよい。これは、対称性を破る場になっていて、パタンを記述するオーダーパラメータの役割を担う。いま構築中のガラス状転移を記述する理論で、特異摂動的に扱われる場は、時間相関を介してのみあらわれ、かつ、分子スケールという短い特徴的な長さをもつが、その場は系のもっている対称性を破らない。形式上、パタン形成の特異摂動と似ているのに、この最後の点の違いのために、なんだか、初体験格闘になっている。ひょっとしたら、スピングラス対応が明示的な話をちゃんと組めば、特異摂動をきちんと組むのに必要な対称性の破れが RSB に対応するなんていう仰々しいことになっているのか?それはそれでうまくいけば格好はいいかもしれないが、第2段階くらいにとっておいて、まずは、素朴な話で拠点をつくりたい。