月曜日

でた。3ヶ月以上つまっていた小さいわき道問題がおわった。

朝の議論でも全く見通しがたたず、だめなようだった。講義に頭を戻そうとするが、不十分だったので、講義はかなりひどかった。講義後、所用にとりかかる力がでずに、ぼーと考えていた。仕事をしないといけないなぁ、、やはり、これはお祓いにいくべきか、、と思ったときに、ひとつの初歩的なミスがわかった。あわてて、岩田さんをよびだして、ミスを直した計算を白板でする。道具は全部そろっているので、なれしたしんだ計算をなおしていくだけである。欲しくて欲しくて仕方なかった 1/2 がでた。

しばらく脱力したけれど、これが偶然でなく、常に別の項とキャンセルするかどうかを白板で確認する。岩田さんの素早い計算で、またたくまに確認終了。今、考えている状況では、モデルの選択に依存せずに、つねにキャンセルする。

もともとは、サドルノード分岐近傍での滞在時間分布のノイズの強さ依存性を問題にしていた。空間自由度がない場合なので、簡単に計算できるはずだったが、数値実験は、非解析的依存性をしめしており、ちょっとした練習問題の予定だった。(反応拡散系の界面の伝播速度の問題に帰着できる。)非解析的依存性なのだから、特異摂動問題だろうし、実際、あぶないモードがある。この手の問題は、僕はなれしたしんでいるので、岩田さんに課題を順番をだしながら、余裕で解決するはずだった。

が、全く解決できなかった。僕が全力をだしても解決できないので、相当にあわくった。12月中旬には、敗北宣言までだした。冬休みにフロントの問題にとりくんだが、当初、それは同じ問題だと思っていた。が、フロントの問題は、(勘違いでなければ)、典型的な特異摂動問題で、スラスラできた。それゆえに、かえって、その解決が僕らのヒントにならず、逆に、なぜ、ヒントにならないのか、、という、問題の相違を考え始めた。

これがちょうど1週間前。先週の月曜日の夜、「そうか、素朴な摂動が発散する特異摂動問題ではなく、素朴な次数勘定の寄与が何らかの効果でキャンセルするのが問題の核心であろう」ということに思い至った。「そういう例は、今までの物理でもあるではないか。非解析的=特異摂動 というパタンがまずかった。危ない項はあるけれど、特異的になるのでなく、素直に計算していけば、きっと自然にキャンセルするんだ。。」

火曜日の朝までに大体の計算方針をたて、岩田さんが水曜日にその方針での計算を最後までやった。それでも、見かけ上の発散たちがウロウロしているので、右往左往していた。ついつい、特異摂動的なのりで考えたくなったりした。結局、素直に正しい計算をやりきることだけだった。。ちょっとした工夫はいるけれど、特異摂動は全く関係なかった。

ともかく、よかった。これで、停滞していた膨大なことが一気に流れはじめるだろう。また、ボーナスとして、別の関連する問題で、ちょっとした面白いこともわかったので、これも、そのうちに公開することになるであろう。