金曜日

卒研論文に関して、木村さんのノートをみる。木村さんに連絡をとっていることから想像できるように、広い意味の量子情報の分野の話である。卒研生の素朴な動機(アイデア)を練習問題として設定したのだが、所詮、僕は素人であり、とくに最近の話は全く知らない。測定、、といえば、学部のときの射影測定が全てである。一般化されているらしい、というのは、風の便りくらいで聞いていたが、内実は全く理解していない。そういう状況で論文として投稿するのは無茶である、というのは木村さんのノートを見ながらわかった。

核心部分は全く理解していないけれど、表面的には量子情報の最近の流儀は大体つかみ、木村さんが証明してくれた一般化も理解した。難しいのは、どういう一般化まで成立するのか、というクラスの問題で、これは測定理論について知らないと、手も足もでない。設定をおえて、命題の形までおりてくれば、(状態空間が有限次元ヒルベルト空間に限れば)、原始人的証明でself-contained にできる(はず)。[木村さんは、一般化の可能性を最大限考慮した証明を書いてくれているけれど、それは文献をみないと、すぐにはわからない。]

木村さんに著者に加わってもらって、(量子情報の人にも嫌われないように)、形をとりつくろって、論文として投稿するのはすぐにでも可能だけど、折角なので、本を買って、木村さんに教えてもらいながら、表面的でない理解をちゃんとしてから投稿することにした。

さすがにこの時期、論文草稿書きの仕事がとまっていて、精神的に圧迫されてきた。3月までに、みやまくん、太田君、大槻君との論文は大枠をつくって、4月〜5月には投稿したい。岩田さんとのは、膨大すぎてくらくらするが、夏までにはおわりたい。それぞれ、草稿のやりとりにはいっているが、僕の手許にたまる量が増えてきた。鹿児島学会の話、千葉学会の話の論文も書く。揺らぐフロントも論文までもっていきたい。中村君も草稿をかいているのだった。あぁ、数えるのでなかった。。。9本か。苦しいはずだ。

ガラスに関して新機軸をうちたてる計画の立案は、大変楽しいのだが、中毒っぽくてよくない。多忙なときにすべきことではないかもしれないが、楽しいのでついつい時間をとってしまう。いくつかの実験や研究の断片をみながら、自分たちがいく道を模索している。今の段階で、全てにおいてうまそうなアイデアはない。でも、におうんだけどな。