火曜日

統計力学のひとつの単純かつ本質的な例題はゴムだとよくいっている。重率の変化を力学として捉えるなんて頭がくらくらする。定性的なだけでなく、それで定量的なんだから全くおどろく。最近はやりすぎているのが気にいらないが、枯渇効果もその例である。(いい話なんだが、本質的には、ゴムと同じだぜ...。)

今、電車の中でよく考えているのが、非平衡重率の変化を力学でとらえることである。懐かしい FIO (flux induced osmosis) はまさにそれなんだが、あそこで狙っていた重率の変化はそもそもがちいさすぎて難しかった。ところで、今のSSTエントロピーは、長距離相関による重率の変化によってかわりうる「いかしたやつ」である。そして、SST があるので、その変化を力学として定量的に検出できるはずである。

熱流のスイッチをいれると、長距離相関が生まれる。(これは、sengers の綺麗な実験結果がある。)その結果、重率が変化して、力が働く。こういう現象が絶対にあるはずだ。これをみるのは無茶苦茶面白そうだ、理論でも実験でも。単に面白いだけでなく、これを叩くことで、非平衡系の「統計」の核心に迫っていけると予想している。また、こういう機構は、....

という話を研究室セミナーの最後の方でしていた。2時間かけて、SST の動機と結果と意義までいって、導出までできなかった。(導出は1時間くらいで筋は追えるくらいに簡単化されているので、基本的には難しくないが。)

木曜日の講義の準備と明日のイベントの準備。ちょっと体調がよくない気配がしたので、早めに切り上げる。