火曜日

「ランダムグラフ上のk-core percolation dynamics」というgeneral interetのかけらもない問題:今日、岩田さんの経過を聞くと、力技でともかくマスター方程式が作れそうなので、最後のパスがとおって、ミクロプロセスgiven で動的相関の発散の指数の計算がほぼ終わりそうだ。(数値実験の結果との一致も完璧。)近日中に終わるだろうその計算を確認すれば、ノート書きに入れる。ジュリオが「この論文との関係」という風にきわめて具体的に示唆してくれた問題なので、彼あてにノートを書いて、連名で論文を書くことを提案することになるのだろう。もちろん、PRL とかそういうのでなく、JSTAT かJ Phys. A のregular paper あたり。これ自体は、超マニアックな話だけど、僕たち(とくに岩田さん)にとっての意義は測りしれない。

臨界指数の計算というと、くりこみ群を使うのが標準的だし、実際、今日も有限次元FAのくりこみ群の解析をDLした。しかし、上の解析では、そういう標準的なことは一切使わない。勿論、MCT も使わない。鍵となるのは、「臨界サドル」の存在だけである。適切な変数で臨界サドルを同定し、揺らぎながら臨界サドルを通過する軌道のアンサンブルを解析するのが鍵である。ちょうど3年前くらいだったっけ、完全なビギナーズラックで物理的には無茶苦茶叩かれてもおかしくない近似のもとでともかくガラス転移を攻略する路線をだしたのは。サドルを使った分岐の路線ではじめたのだけど、その時点で今の姿など全く想像できてなかった。研究のダイナミクスという点からは、ラックの連続だった。

次の手、次の次の手を夢想すると無茶苦茶楽しい。今日は午前中ずっと非アカデミックなことに忙殺していたし、精神的には不愉快なこともそれなりにあるのだけど、それらを全て忘れそうな感じだ。

あ、そうそう、大久保さん、板倉さんとゆるやかにメールのやりとりが続いている。共通点は計算技術なんだけど、学ぶことが多くて、大変ためになる。(ずるいといえばずるいのだけど、論文を読まずに、あれこれ教えてもらうのは学問の基本だと思う。本気でそれをマスターするなら自分の手を動かさないといけないけれど。)偶然、今日みたpreprint は、板倉さんの関係者が書いた論文で、そこに引用されているのは板倉さんの論文や僕の関係者や竹内君の関係者の論文で、大久保さんのテーマとも関係している論文もあった。。分野を超えて計算技術だけに特化した集まりがあってもいいかな。来年度に駒場でやろうかな。