金曜日

Ohta-Sasa論文を太田君が投稿する。太田君にとっては感無量だろう。昨年の今頃からはじめて、秋の学会までに何とかぎりぎり数値実験をまにあわせた。(臨界性をうまく特徴づける量を探すのが自明ではなかった。わかってみれば何でもないが、わかったことを聞くのと探し当てるのとは違う。)春の学会までに何とかぎりぎり理論をまにあわせた。色々な困難があって、学会の発表は「できているところまで」を喋ることにして、プレゼンに集中した方がいい、、と僕が示唆したあとの「もうひと踏ん張り」で、何とか理論のパスを通した。その版でともかく論文草稿を書いてきたのが2ヶ月前だった。そこから構成、プレゼン、理論を徹底的にあらった。理論も「完全に綺麗な形」にshape up*1した。

学会記事の原稿。本文最後の節を、Statphys 2007 から... という形にして、Bouchaud 講演とJarzynski 講演の総括を書くことにした。この節は、まぁ、割と気楽に書けそうだ。

ふむ。Ohta-Sasa 論文を投稿したせいもあって、70年代にもうちょっと手厚くしよう。(あ、Ohta-Sasa 論文で解析しているモデルは、Kuramoto model のvariant で、Shinomoto-Kuramoto model. 僕にとって初めての振動子論文でもある。これでやっと蔵本研のメンバーか? 引用文献には、Sakaguchi, Nishikawa, Chawanya, Okuda, Aoyagi,Teramae と蔵本グループの名前がぞろぞろ...;それらが多くのjamming の論文と共存しているのは面白い。)

*1:shape up したのは僕だが、色々な理論の経験をしっかり持っていればできることで、大したことではない。よし、いけそうだ、本物だ、、とわかってから、それを絞るのは、種をみつけるのとは別の作業だといってよい。ただし、「予想以上にかわっていて、「何じゃこりゃ!」という感じです。」というのが、理論を絞りこんで論文草稿の改訂版を送ったときの太田君の素直なレスポンスだったので、当人も驚くほどの絞り込みだったのは事実だと思う。また、特殊技巧を使いまくった種だったので、それを絞りこむことができる人も極めて限られている。