月曜日

講義は今日をいれてあと4回だが、進行が少し遅いので、今日は完全にとばしてしまった。申しわけないが、朝早いせいかどうも気分的に乗り切らないまま講義が展開している。

それに対して、何がとびだしてくるかわからないヒヤヒヤものの夕方の全学セミは、結果は、今日も楽しかった。[何が飛び出すかわからないのに、今日も1時間前から準備していた。]あと3回をこの感じでおわって最終回を大団円になれるのだろうか。(毎年するのはきついかなぁ。今年履修できなかった1年生に、「来年もやってください」といわれているが、ううぬ。)

午後の田崎さんとのSST関連話は暗くなるばかり。本来なら、ここでありとあらゆる計算チェックをすべきなんだが...。(院生が絡まない)研究の優先順位は最下位にしている現時点では時間がとれない。

というなかで、刺激的な展開が少しづつ。MF-spherical p-spin glass の相関関数はMCT eq がexact になる。通常は、この方程式を書いて、できるところまで物理数学的にやって、できないところは数値評価する。そこは、算数でしかなく、物理として大事でない、、という人が多い。だけど、僕たちはそこをすっとばすことに論旨の欠落をみている。例えば、臨界ゆらぎがでる「理屈」が見えない。(計算すれば見える、というのはいいけど。) random k-core の緩和を雛形にするように、よい座標でsaddle-node 分岐する場合には、サドルからでる時間のゆらぎが発散するので、\chi_4 の発散がみえるのは非常に自然に理解できる。(これは、Iwata-Sasa, EPL の描像)そこで、p-spin glass のMCT eq だって同じかも?と思うのは僕たちにとっては自然な期待だ。

で、急ピッチで実際にみている。おそらく、僕たちにしか動機がないけれど、MCT equation を分解している。ははは。今日、岩田さんと白板の前で、あぁだこうだと考えたすえに残ったことが正しければ、MCT equation を SN 分岐する力学系を主要部分とする方程式の組に分解できる。記憶項がばしばし効く方程式なので、まったく非自明だし、具体的なつめで大きな壁がまっている可能性も高いけれど、筋は綺麗にみえる。さて、どうなるかな。。

これがあたっていると、僕たちが提案する分岐路線が無視しえなくなる可能性が高くなる。(あ、Goetz が80年代にガラスのMCT で分岐シナリオという言葉を使っているが、これは数学的には用語の間違いだと思う。彼は至るところで不正確な用語を不用意に半端に使っている。やっている解析は物理の精度で正しいように見えるし、80年代にガラスの理論でここまで到達したのは「本当に凄い」のだけど。)