土曜日

ライデン講演のスライド:ここにはこれを貼る、、とか、何とかを含めて、とりあえず、最初から最後まで書いた。ver. -3 かな。これを宮崎さんに送っておく。

準備をしながら、色々とピントがあってきた。introduction は、自分の一般的動機の宣言のあと、理論の参照系としてのMCT をとりあげる。題材は、明示的にSpherical p-spin glass. 厳密に解析できるモデルがあるからこそMCT に意味があるし、他への展開の基盤になりうるのだと思う。とくに、ゆらぎの解析について、Franz-Parisi, 宮崎さんたち(BBMR), Biroli-Bouchaud をすべて Spherical p-spin glass で書くと、僕には自然に位置づけがわかってきた。とくに、今こそ、Biroli-Bouchaud の解析を Spherical p-spin glass でちゃんと書くべきだという気がしてきた。 [これから先の数か月でやろうとしてたことの出発点は彼らの出発点と同じだった、ということにやっと気がついた。解析が違うけれど。]

その上で、「別のアプローチを模索する動機」を述べ、自分たちのやったことをまとめて、講演全体の概略を述べてintroduction を終える。

僕たちがやってきたアプローチは、k-core percolation では厳密に適用できる。(k-core percolation の問題に対してMCT を適用することは可能だが、厳密にならない。)そこで理論としてのひとつの基盤を確保できるわけで、そのアプローチでの自然な解析に説得力がでてくる。さらに、そこから MCT転移をみると、別の顔がみえてくるわけで、実際、p-spin glass のMCT転移に対して、僕たちの考え方を適用していく。もちろん、解析手順が違うだけで、結果はすべて知られているとおり。(p-spin glass のゆらぎの解析まで終わっても、知られている結果を再導出するだけになる。まだだけど。)

何が違うかというと、そこからが違う。たとえば、Biroli-Bouchoud 2004 に明示的に書かれていることだけど、smearing (する場合にそれ)を導くゆらぎを議論しなければならない。そのようなゆらぎについての Ginzburg criteria のようなものを理解しないといけない。これは全く難しい問題で、わかっている事実は、diagramatic expansion の意味で無限次まで考えても、そのようなゆらぎは記述できない(だろう)と推測されている。[ぎりぎりまで考え抜いたわけではないけれど、それはおそらく正しい。] 

僕たちの解析方法は、ゆらぎの記述の仕方がまるっきり違う。まず、relevant なzero-mode が最初に自然に分離される形式になっている。そして、そのモードは、diagramatic expansion の意味では、non-perturbative contribution になっている(はず。)[関連文献を一ノ瀬さんから教えてもらって、ざっと見たきりになっている。あ、明日、手元によせておこう。] smearing するかどうかは、そのモードに対する有効ポテンシャルの(時間無限の)漸近形が決めていて、その形を決める評価をすればいいはずで、しかも、それは原理的に計算可能になっている(はず)。[このあたりは、SN 分岐であろうが、MCT転移であろうが、全く同じ事情。]ざっとした見積もりで2年から3年くらいか。

... と、スライド作成で気分が良くなってきたので、調子にのって深夜まで作業して、締切が近い諸々を大幅に片づけた。