木曜日

まだ講義が始まっていないけれど、ほぼ連日何かのイベントがある。メールでは、中川さん、田崎さん、小松さんのやりとりがとんでいるけれど、ダウンロードすらできていない。査読論文もダウンロードしなくっちゃいけないのにそのままだ。

とりあえず、BM模型の平衡状態を「熱交換」で調べている。(つぎはぎだらけの汚いプログラムだけれど、様子見なのでえいやぁ、、と。)アニーリングラインは突破して、操作限界を超えた平衡状態が見え始めた。今のところ(32x32 までの観察では)、最密充填は僕の値のタイ記録までにしかきていない。ひょっとしたら、さいみつ充填は5/9 でいいのかもしれない。(32x32 では 5/9 は実現できないのだけれど、24 x 24 では実現する。まぁ、それはそうなんだ。僕が理解している範疇にある。)

問題のK-点はまだ微妙だ。32 x32 ではまだ平衡状態にきていないようで、今晩計算機に頑張ってもらって、平衡に到達してもらっている。(計算機の範囲で何とか到達できそうな感じがする。)そうすると8x8, 16x16, 32x32 の3つの系で「影」を感じてくれればいい。

大事なことは、いずれの系でもアニールでは到達できない領域の話である。「熱交換」は本当に素晴らしい。色々な温度の系を横に並べて、異なる温度の系間にも相互作用がある。そんなことしてしまったら、非平衡になって、難しくなるではないか、と思いきや、その動力学は「局所平衡」を厳密な定常分布としてもつ。しかも、低温セクターを含んでも緩和時間は劇的に短くなる。(指数オーダーからべきオーダーへの変化くらい。)まさに(操作的には見えない)K-点の有無を調べるためにあるような手法だ。

2次元系ではまだ灰色だけれど、ランダムグラフでは綺麗なデータがとれつつある。ただし、僕はまだプログラムを書いてなくて、(p-spinの)中島くんや(BMの)福島さんのデータを送ってもらった。そうだよな、そういうデータを見たいのだ。そもそも、ランダムグラフでもそういう(見えない)平衡状態の数値実験はない。理論的には計算されているし、アニールは計算されているし、アニール極限で理論曲線に到達しえないことも示唆されているのだけど。

さすがに福島さんたちはプロで、ランダムグラフはほぼ一瞬でいい感じのデータを作れたみたい。。そりゃ、熱交換法は、福島さんが院生のときに根本さんと開発した方法で、色々なノウハウをもっともご存知なのは福島さんだしなぁ。(僕が何年か前に書いたプログラムもあれこれ教わりながら書いたのだった。)