月曜日

卒業研究発表会。

パンルべと細胞分化の発表があって、その両方を高い精度で理解できる学生がいるのは素晴らしい。(僕は、そのどちらも耳学問レベルでしかないのだけれど。)その細胞分化の実験をした人は、1年前は「フビニがどうしたこうした」と議論していた。細胞分化模型の数値実験を発表した(物質コースの)学生は、僕の物理数学と流体力学の講義を一番前で受けていた。物理数学は苦しみながらも何とかくらいついていって、流体力学では「ここでどういう実験したらいいでしょうかね?」とか「ここで考えるべき問題は何でしょうかね?」という問いに対しては抜群の答えをだしていた。きっと研究する力はあるだろうなぁ、、と思っていたら、卒研では見事にその力を発揮した。また、大槻君の物性セミナーにも来ていて4年の夏は確率過程のセミナーをやっていた別の学生が粘菌の実験をやっている。(何というか、指導教員と雰囲気が似ているのは面白い。)

僕が担当した学生も出来ることはやっていたので十分に評価されると思う。大学院で僕の研究室に進むこともあって、卒研発表会がゴールでなくて、そこに至るまでの一通りの経験するのを目指していた。だから、課題の設定、攻略の方法の試行錯誤、当然にある失敗、そこからの攻勢、発表会に向けて「できること」の選択、そのあとでのあがき、出きている範囲のでプレゼン.. などなどである。だから、「卒研発表会」がゴールだとしたときに想定される理想的プロセスにはなっていない。例えば、先行研究について系統的に理解することは後回しにしたし、(僕が設定した道に沿っての)最短経路ですすむことは最初から棄てている。やってみないとわからない諸々の苦難をともかく実際にやって経験することは将来にとって貴重な財産になると判断している。