火曜日

定時に家を出たが、腰の具合がよくないので、駅まで車で送ってもらう。品川で歩き始めると、「あれ、これちょっとおかしいな。」「座った後だからかな。暫くすれば大丈夫かな、、」と様子を見ながらブラブラする。ゆっくり歩けるけれど張りが半端ない。これはダメかな。今日予定していたことはキャンセルさせてもらい、そのまま千葉に帰ることにした。

終日、様子を見ていた。時間帯によっては悪くないが、悪くないときでもやはり座った後には張っている。15分とかで時間を区切って座らないといけないのかもしれない。(座らないのがベストだろうけど、それは無理。また座っている間は何も問題はない。)ただし、咳をすると腰に響いて痛みが走るので、何かの突起物ができているんだろう。

寝っころがっている間はずっと8-Wang tiles 問題。モデルを少しだけ変更することを決意。ノートも計算機実験も全部最初からやりなおし。マイナーだし本質には関係ないけれど、綺麗さが違う。例えば、これにより、基底状態はカオスで作るのでなく、CA で作る。(これは計算機実験でも。)このCA の結果に対してある量をプロットすると、カオス写像が確かに浮かび上がってくる。数理的には当然だけれど、実際にプロットをみるとおぉーと声が出た。

この表示にすると、秩序相の理解にすこぶる役に立つ。基底状態に対して、小さい確率で穴をあける。穴をあけることにより、色々な基底状態の張り合わせが可能になってしまい、一つの基底状態の励起として書けなくなれば、秩序相はない。不規則基底状態の場合、穴をあけると連鎖的にパタンを変更してもよくなる。(無限縮退しているし、不規則な所以とも関係する。)この変更ルールが見えてくると、1枚の穴が2次元領域の変更可能部分を作ってしまい、穴がぼちぼちあくことで、色々な基底状態の張り合わせが平衡状態として許されることになる -- ように思える。日曜日からやばいなぁと思っていて、月曜日の夜に明示的に焦ったのはこういうことだった。実際、帰りの電車でどれくらいパタンが入れ替わるか絵を書いていたら、やばいやばいとなって真っ青になった。

月曜日の夜、小さなサイズで丁寧に最後まで絵を書くと、ひとつの穴によって1次元的に不安定領域がのびるけれど、それと垂直方向にはO(1)でとまるように見える。これが本当にO(1) なら秩序は残る。(電車の中では、1層、2層と計算して、ずっと続く気がしたが、そこが止まるというわけ。)本当かな、途中で計算間違えたかな、、というので月曜日の夜に眠った。

火曜日、寝っころがって絵を書いて、何が起こっているのか理解した。穴によって生じる張り替え可能領域は、(基底状態の)カオスの時間発展の向きの反対側にしか成長できない。穴をあけることがちょうどカオス写像の摂動に相当することが理解できて、不安定方向(つまり写像の順方向)はそれと横断方向からの禁止則でブロックされていて、安定方向(つまり写像の逆方向)にしか伸びられない。それはLyapunov 数で減衰する。

手で書く絵でなく、穴をあけた結果で変わるパタンを計算するプログラムを書いて確認すると、完璧に正しい。定量的に調べるのは後日だが、↑で書いていることが正しければ、O(1)の値はLyapunov 数(これは模型から値を知っている)と一致しているはず。

カオス写像は不規則な基底状態を作るためにいれたのだけど、それゆえに不安定で摂動によって入れ替わってしまい、秩序相がなくなる可能性があったのだけど、見事な感じでうまく収まっている。こういう風に理解がすすんでくると、正解だと確信してくる。