日曜日

この2日間、集中してナポリ講演(60分キーノート講演)のプロットをつくる。やはり、まとまった時間がないとプロットはできなかった。導入は、何となくのイメージを具体化する方向で頑張って、完全新規にした。展開は、これまでのスライドを見直してボロボロだと思ったので、大幅な改訂をすることにした。山場は、結局、新規にした。自分よがりになる可能性があるが、今回話すときに自分が気分よくいけるのはこれしかない、、と。つまり、全編にわたって、ほぼ、作り直す構成になった。でも、プロットを考えながら、色々と見直して、勉強にもなった。何を前提にして、何を理解するのが自然なのか、自分でもついつい忘れてしまうことだしな。また、(1ヶ月前にのたうっていた)放送大学収録準備のような「どうしようもなさ」はないので、厳しいとはいえ精神的にはずっと楽な作業だった。

今週、毎日2時間、(通勤時間を中心にして)、スライドを完成させることができるかな..。よし。発表は会議初日の朝なので、次週のどこかで発表練習の時間をとりたいけど、本当、厳しいスケジュールだな。飛行機の中だけで発表準備を済ますのは危険なので、何とかせねばならないが。

また、金曜日に確認したことを整理してノートを土曜日の昼に書いた。このノートを書いていると、あれ、、どこかで似たようなことをやった気がするなぁ...と思ってきた。少し調べると、2001年2月25日のノートがあって、おぉ、これは....。と思って、その時の日記をみて驚いた。そうか..ここまで考えようとしていたのか。最初に書いていることも途中で書いていることも最後に書いていることもも、この夏の課題とかぶる部分が多い。すごい。でも、あと一歩足りていないのだよなぁ。これは僕の限界を表しているようで悔しくもある。いずれにせよ、当時の世界のトレンドと全く関係ないところで、また、誰からも評価されないままに、よく続けられていることには...心底感心する。11年後の僕がほめてあげたい。

2001年 2/25(日)

昨晩、整理ノートが技術的な部分にはいると、ちっとも面白くなく、これだと 外場の摂動でもまじめにやった方がましなんちゃうか、とちょこちょこ公式 をつくりはじめる。(おそらく、Riskenの本あたりに書いてあるようなこと。) それ自体は、たいしたことではないが、それをみていると、定常状態を基準 にとりなおしたエントロピー生成最小原理で(平衡からみれば線形とは限らない 領域での)定常状態測度が決定できるかどうか、というのは摂動で議論できる なぁ、、、ということを考えはじめた。

ふむ、そういえば、非平衡定常状態に緩和するときの(非平衡の)エントロピー 生成、という量の正値性(=定常状態では0になる)は、導いたこともあった。

あれ、ひょっとしたら、先週、give up したSST的な変分原理って、それから いえるのでないか、、、と突然走り書きをはじめて、「お、いえそうだ」と (結果として間違っていた)走り書きを速攻でつくった。

で、今日の午前中、非平衡定常状態に緩和するときの(非平衡の)エントロピー 生成の正値性を苦労して確認し、午後の外出のあと、これと変分原理の関係を 整理した。昨晩の走り書きは、規格化因子の見落としと符合の反転をやっていた せいであって、定常状態への緩和のときの(非平衡の)エントロピー生成の 正値性は、SST第2法則の特殊なものにすぎず、SST的には、不可逆過剰仕事 の正値性以外の何者でもない、、という至極もっともなことであった。

しかし、定常状態測度の選択は摂動で議論できる範囲があるから、ちょっと 試してみよう。変分原理は、やっぱり、じりょう性をうまくつかわないと いけないんだろうな。どうもそこの考察は外したままだ。