土曜日

関東は大雪らしい。雪がよく降るといわれていた左京区岩倉に越してきて2回目の冬だが、まだ雪が積もった道路を歩いたことがない。うーむ。
 関東の雪といえば、昨年の成人式も印象に残るが、やはり、98年1月15日だろうか。学生委員会委員のときで、会議がやや遅くなって19時くらいに大学を離れたのだった。山の手線の新宿行が途中でとまり、引き返して、なんとか品川についた。すでに21時すぎだったかな。その段階で、全ての山手線がとまり、千葉への電車が途絶えた。後日談では色々で、途中で電車から降りることになって、朝まで歩いた、という人を複数しっている。疲れていたのもあってあきらめて品川の某有名ホテルに向かった。フロントに向かう人は行列になっていたが、なんでもいいやと思っていた。自分の番になって、「22000円のお部屋しか空いていませんが、よろしいでしょうか?」と聞かれたが、OKした。22時30分ごろだったかな。夜ごはんは、全て閉まっていたし、2600円のパスタ(ルームサービス)を食べた。そのときにホテルの部屋で計算していたのは、Lieb-Ynvason の翻訳編での絶対温度の考え方についてだった。(まだ話をしたことがなかった田崎さんとメールをやりとりをしていた。)朝おきて外をみると、素晴らしい景色だった。これが16年前なのだな。
 たまたま、とあるメールのやりとりで、 13年前の論文  をみたのだが、(自分で言うのもなんだが)凄いな。PRLに投稿して、1回目の査読は○X△。KPZに外力(ペースメーカー)をいれたときの自然なエントロピー生成がゆらぎの定理を満たす、というのは自明として議論を展開しているのだからなぁ。もちろん、その計算は覚えているし、主張は全く正しいのだが、まず、それだけでもぶっとんでいるやん。論文では、化学乱流でやっていて、Yakhot予想が正しければまぁいいかなということで実際に数値的にも同じ対応のゆらぎの定理を見せている。素晴らしい。これは今だったら理論的なことができるかもしれない。そういう数値計算のデモだけで独創的だな。おまけに、その(一般化された)エントロピー生成と外力の有無についてのKSエントロピー生成の差について非自明な予想を提示している。これは、今みてもよく分からない。(数値実験として嘘はやっていない。)今、この論文の共著者だとしても、そんなにぶっ飛ぶな ー と大幅な改訂を示唆するだろう。結局、この論文、1回目の査読に返事をしていないまま13年が過ぎた。なんとまぁ。
 昔を振り返ってばかりだと、年をとっています〜という情けない姿をさらしているようにも思うので、さっさと今日の義務に向かおう。