日曜日

普段ちゃんとニュースを見ないので、かなりの時間差で知ったのだが、葛西さんがスキーで銀メダルをとった。まず、20年前の葛西さんと同じ葛西さんがオリンピックに出ているだけでも驚きなんだが、調べると、最近もずっとオリンピックに出ていたらしい。そして、今回が(個人では)初めてのメダルらしい。これは何となく嬉しい。研究者でいうと、40代、50代、60代と代表作というべきものを残して、70代で超一級の仕事をするようなものだろうか。

20年近く前だが、年配の方に、「45を過ぎると研究意欲がなくなる。君もそのときになったら分かる。」と言われた。それはずっと反面教師的なイベントとして記憶している。もちろん、45歳を超えるあたりにひとつの壁があるのは分かる。まず、研究外時間は大きく増えてくる。反復練習できないこともあって基本能力も衰えてくる。実験家でも理論家でもディレクター的な役割に転身する人も多い。それが悪いというわけではないが、僕自身は、それは断固拒否したいと思っている。理想は、20代より30代、30代より40代、40代より50代に「納得いく研究を残す」ことである。今のところ20代はパタン解析、30代はSST, 40代はPure glass/流体導出とそれぞれの分野でそれなりの結果を残しつつ、個人の納得する程度は年齢が高い論文の方が大きい。(もっとも独創的なのは30代なのだが、まだ結実しとらんしなぁ。)そういう意味では、今のところ、理想に向けてすすんでいる。もちろん、周りの方をはじめとする環境のおかげであるが、かなり意図的にそう目指さないとうまくいかないのも事実である。特に、時間調整の戦いは半端ないからねぇ。

そういうのがあって、葛西さんのメダルは凄く嬉しい。何も知らない状態で時間遅れでニュースを聞いただけだが、励みになった。実はあと40日くらいで50歳になる。いよいよ50代での戦いになる。今までよりももっと納得のいく研究結果を残したい。