金曜日

木の午後、金の朝と長時間の所用があったが、残りの時間で....(読まないといけない諸々はやって)量子熱接触をやってしまった。van Hove やZwanzigの論文からある程度たどれて関係ありそうなものは見た。アブストみると、被引用回数1だが、Bogoliubov らの記述縮約を使って量子熱接触をやっている、という論文があって、おぉそのまんまか?と思ったが、うーん、残念ながら(ロシア系ではあるが)、著者はBogoliubovらの方法の神髄を理解していないようだ。(平均化法という名前がついているけど、この名前は非常にミスリーディングで、ただ平均したら無茶苦茶になる例だってあるわけで...問題の構造をきちんとみないと。。)文献調査はそこそこにして、結局、木曜日の夜からノートを書き始めた。記号法だの論旨だのに少し手間取って、思ったより時間がかかってしまったが、ラフノートはつくった。(最後の方はあわてすぎて、いくつか間違っている。)

このノート、\hbar というのをtex で使っているが、これは生まれて初めてである。何かうれしいが、\hbar=1とおく、というところだけなので何かさびしい。さて、このノートでは、量子系を接触させてエネルギーが変化する様を記述している。結果はよく知られているとは思うけれど、量子系からの導出手数はおそらく最小だと思う。関係する論文をいくつかみても、何とか表示がどうしただの、何とか近似がどうしただの...結果に向かって泥泥しく向かっているのは多数ありくらくらするので、そういう意味では有用かもしれない。

ついでに数学的に証明できないか、と思ってみたけれど、やはり、僕の力ではすぐにできるようなものではない。力学系の記述縮約の話と同じ構造なので、数学が達者な人なら、証明が書ける気もするのだけど...誰かいないかな...。

さて、このノートの結果が、物性若手夏の学校の講義録の物語にも登場する。古典力学にもとづいて熱接触を理解した翌日に、キヨが量子力学でやってしまう...。架空の物語だけど、物理の部分は正しくしたい。さて、明日からの作業が大変だ。夜にぼーんと長い論文を読む仕事が入ったし。推薦書あと3枚あるし。。