ガラス転移。

具体的に扱うモデルは、何を目標にするのかで大きくかわってくる。今のこの時代に、なんとか近似で計算しました、だけでは面白くない。相空間にある準安定状態の構造変化、動力学、統計力学、現象 の関わりにたいして知見を得たい。そういう方針にたつことを岩田さんが主張したので、それにきめる。(いつものように僕は選択枝を用意するだけ。判断はまかせる。)そうすると、いったん、実験に近いところから離れて、概念装備をめざすことになる。これはこれでひとつの道である。しかし、当面のゴールがさらに遠くなってしまった。技術的なことをふくめて、早急に状況の整理しなければいけない。

この判断に Dotsenko らの論文の影響はありまくりである。あの論文、実は、我々のために書かれたのではないか、というくらい我々の考えていく路線と相性があっている。共通点は、構造ガラス転移を議論するのに、PY も HCN近似 も使わない、、ということ。ありえないでしょうね、普通に構造ガラスやるひとからすれば。ちなみに Mezard-Parisi も HCN 近似をつかっていて、概念的にはわけがわからなくなっているようにみえる。MCT はもちろん、PY やそれと同種のものは大前提である。さてさて、こんな危険な道で実りがあるのだろうか。。楽しみではあるけれど。