日曜日

階層をかえたときに、保存する関係が大事である。たとえば、平衡状態における統計分布。かのにかる分布はどこまでいってもカノニカル分布である。(不正確な言い方であるのを承知で短くキャッチ的にいっている。)平衡状態における揺らぎの時間変化について、詳細つりあいはどこまでいっても成り立つ。(ミクロ可逆性との接点は、まだ確実ではないにしても。)NESS で、このような階層移行で保たれるのはあるのか?local detailed balance(LDB) にもとづく諸々(FT も含まれる)はそうだが、それが広すぎて何もうまないことが30年前の知見である。(LDBそのものを問うのは、渋くて難しくて重要なことであるにしても。)

僕がしるかぎり、新しいものにつながる可能性があって、階層移行でたもたれるのは、直交条件である。昨年のHayashi-Sasa の粗くみたLangevin で成立するその条件は、bare Langevin でも成立し(= HHS 論文)、Harada-Sasa として外側でみえる関係は、はその直接的な帰結である。

したがって、いま考えるべきは、pure な力学レベルから、その直交条件を理解することである。NESS を pure mechanical に扱うのはむつかしいので避けていたが、その難しさは、線形応答レベルでも十分に難しく、いまだに形式論でしか理解できない。そのレベルの形式論なら、pure mechanical level から、直交条件の位置づけを問うことは可能だと思える。 もちろん、これができれば、Harada-Sasa のミクロからの導出は自動的である。

単に導出するのでなく、可逆性/詳細つりあい/FDT (相反定理) というオンサーガの雛形に対応して、 * / 直交条件 / Harada-Sasa の * を埋める何かを見極めれられたら、無茶楽しいではないか。

これは、昨日までやっていた「双曲性とBRST の関係をさぐる」単純なゲームとはまるで違う次元の問題である。1日でどうこうという話ではない。手をうごかさずに方針をきめるのに1週間だと設定した。それまでにときめくアイデアがでなかったら、この夏にはしない。ただ、なんとなくできそうな気分は高まっている。