水曜日

台湾研究会:レオロジーセッションかと思ったら、レオロジーは僕だけだった。僕の発表は、時間配分だけは現地での最終調整のかいあってぴったりだったが、細かい英語の表現でもごもごになった箇所がいくつかあった。(吉川さんには、「京都の発表よりはよかった」といわれたが。)液晶系でのShear thinning を Cate のところで学位をとった Lu と Cross のところで学位をとった P. Chen がすすめている最中らしいので、タイミング的によかったかもしれない。他に、To, Leung, H. Chen, Lai, Chan とも僕の発表についての議論をした。(日本人では、好村さんと吉川さん。好村さんは、さすがに鋭いなぁ。)最終セッションの発表でほとんど時間がなかったわりには、色々話ができてよかった。ちゃんと話の筋はつたわったみたいだ。

さて、台湾研究会全体を通じての感想と意見を帰りの飛行機の中で書いていたのだが、長くなりすぎて、日記に貼るのもおかしくなってしまったので、大枠だけ書いておこう。

マイクロスケールの対象に工夫を凝らした実験系に何かしらの萌芽を感じた。これは、世界の流れでもあるのだろうが、あまり日本でみたことがなかった。(日本のソフトマターの研究会にいってないからかもしれない。)今のところ、基礎測定的なレベルにとどまっているが、問題のたてかた次第では、使える気がする。僕自身は、そういう実験系をつかって、非平衡基礎論的なことを考えたいが、こちらのアイデア次第で、そういう実験系と積極的に絡んでいくことができるかもしれない。具体的に、どういうアイデアをもっていけばいいか、というとまだ悩ましい。悪戯に工夫を凝らしすぎて込み入っただけの世界になってしまっては、何にもならないからなぁ。

主宰者たち(=ほぼ上で名前がでている人たち)の秀才的な雰囲気はよくわかった。これは発表された論文をみてもわからないので、研究会にいって、じかに話ができてよかった。ただ、話をすることを超えて、学問的交流として有用な形にできるのかどうか、まだ、よくわからない。(イタリア/フランスの交流は、台湾/日本のひとつのモデルケースになりうるのか?)

今回の研究会でもっとも面白かったは、非線形光学をつかった細胞の解析である。こういう話は、はじめて聞いたが、独創的で、かつ、大変面白いと思った。物理の測定技術や手法をつかって、生物系について今まで得られない知見を抽出するのは、bio-physics のひとつの方向ではあるだろう。(僕は、その方向にはすすまないけれど。)