月曜日

物理出身の生物実験者でプリンストンで学位をとった人のセミナー:ショウジョウバエの卵から細胞分裂していくときの実際の動画は印象的だが、あの手の動画を再現するモデルをつくるだけなら、それほど難しくない。(きっと山ほどある。)(物理側からみたときの)生物の問題でもっとも難しいのは、問いのつくりかたで、今日の話の核心部分もそこがピンとこない。(補足:可視化技術は素晴らしいし、実験としては、その1点で評価されるのだと思う。ここで書いているのは、その実験を受けての理論の話をどうするか、、という点。)これに刺激されたのか、ダウンロードしようと思っていた生物関連の論文をいくつかおとしてカバンにいれる。ちょろちょろみるが、、うーん。

生物の問題は、野心的に考えれば、ほとんど何もできない。また、勉強すればきりがないくらいの蓄積がある。しかし、ここで勉強に流れてしまうのには、(時間の使い方の点で)強烈に抵抗を感じる。かといって、すぐにできそうなことは、生物と思えば、面白いと思えない。唯一残された戦略は、生物と思わずに、生物的現象を題材にして、適切な問題を考えていくことかもしれない。この中途半端な道は、今までは避けてきたけれど、やがて僕もとる気がする。ま、先のことはわからないけれど。

パリでの予定を少しつめる。打ち合わせのメールを書くたびに緊張が増す。いかんなぁ。本当にまずい。どう考えても、圧倒的な勉強不足だ。今から、一気に何もかも勉強しようか、と思ったりしていたが,,,は。。。院生には、「勉強は積み重ねなので、付け焼刃ではどうにもならない。勉強不足だと思えば年オーダーでちゃんと勉強しな。付け焼刃で半端に勉強するのは最悪だよ。」といってたな。。いやいや、ごもっとも。半端は最悪だ。落ち着け。

光羽根車:昨夜、布団で絵を描きながら、こんな感じか、、と雰囲気はつかんで、文献をみる。歴史的には、レイノルズが説明をあたえたらしい。(Einstein の説は理解していない。)熱力学効果ではなく、(純正)流体効果*1でもなく、非平衡統計の局所平衡からのずれをひろう効果でまわっているようだ。ただし、FIO *2ではない。うーむ、もうちょい、考えてみようか。

*1:標準的流体方程式で記述される効果のことを純正流体効果と書いている。僕の造語。

*2:Flux Indueced Osmosis: 熱流によって変化するバルクの統計重率が引き起こす力学的寄与を端的にあわらす装置。概念的にはきわめて重要で、かつ、僕は、絶対に現実に存在しうるし、それを顕著にみせる系をつくりたいと今でも思っている。残念ながら、数値実験でも、実際の実験でも、まだその存在を顕著に示すものはない。