水曜日

デリダさんの講義3日目:構成はよく練れていて、非常に聞きやすい。説明も結構おちゃめだ。平均カレントgiven の最適密度プロファイルの説明では、走る姿と歩く姿にたとえて、アクションをまじえて説明していた。何かの機会のときに使おう。ただし、初出の量の説明が足らない(あるいは定義をとばしてしまう)ので、はじめての人には苦しい箇所があるかもしれない。質問には丁寧に答えているので、聞けることは聞けるのだろうけれど、定義を全部聞いているとたぶんいたるところ口を挟まないといけないはめになる。。 

今日の講義で、僕の知らない命題がふたつあった。ひとつは昨年の夏に予想したのに証明ができなかったこと。(おかしいなぁ、、成り立つのか、くそ。。いつかもう一度検討してみよう。これが成り立つのだったら随分楽なはずだが??)もうひとつは、Bodineau-Derrida のカレント揺らぎの相加性原理の十分条件。それは数学的なものだけど、その条件に僕には見慣れた式があったので、あとで聞く。理由はよくわからないが、この組み合わせは色々な局面ででるものだよ、、と。

さらに、large deviation の非平衡度に関する摂動は簡単ではない、、ということをいっていたので、講義のあとで僕の最近の話を簡単に説明させてもらう。うーん、デリダさん的にはつめが甘いらしい。「時間積分までやれ」....。 時間積分は一般には無理ですよ。ただし、すでに解かれているモデルのクラスでは、僕の摂動論的結果でも時間積分を明示的にできる実行できることは、昨年からしっていた。確かにやっておくべきだったかな。数時間でできるはずなのだから。

講義後、デリダさんとこの学生のDemian からねっちり話をきく。吸収壁のある分岐過程の統計的性質だけれど、基本的には FKPP の境界条件の影響を議論するのと同じことになる。僕は、とくに解析方法に興味があったのだが、やっていることはほぼ理解した。2−3週間のうちに30ページの論文をarXive にあげるらしい。

朝のFelix の講義は今日でおしまい。レーザートラップ実験の説明は(原田さん、村山さんについで)これで3度目だが、全然頭にはいってこない。電磁気が苦手だしな。Felix もいたるところ初出の言葉の説明をとばしてしまう。講義の構成は、想像していたよりは、ちゃんとしていた。(たぶん、彼はスマートに講義をするタイプではないのだろうけど。)実験精度の確保とターゲットとできていることはわかったけれど、理論の後追いでは苦しいだろう。次にどうするのだろう。明日あたりに聞いてみよう。