土曜日

新生SST - 例1-: まずソーレ効果から考えていることは昨日書いた。今までの知見を知らないと話にならないので、無茶苦茶おおざっぱなことは理解した。とくに、ふたつの理想的極限 (dilute gas limit, Brownian limit) が存在し、それらの極限では任意性なく係数が決まるはず。元論文にあたっていないが、係数の値、および、たどるべき文献はだいたい理解した。とくに、後者の極限でのソーレ係数は、松尾さんがM1のときに計算したのだった。(ソーレ係数を知らなかったので、トムソン係数を計算したと主張する論文にした。)今なら、暗算でできるくらいに基本的なことであるが、当時は計算方法も概念もよく混乱していた。(この Matsuo-Sasa 論文は、僕は計算を手伝ったくらいで、実質的寄与は僅かしかない。) dilute gas limit の計算は難しいので妥当性はよくわからないし、計算を自分なりにする気はないが、パラメータ依存性とかは正しいと信じることにする。

さて、まずこれらの既知事項を新生SSTから理解しないと話にならない。再現ができれば、それを一般的表示にもってきて、各論にも適用できるようにしていく。たとえば、現実問題においては、粒子の存在による溶媒の化学的性質の諸々の変化が大きく影響を与えることが知られている。それはそうだが、それをざっと評価するにしても、正しい式がないままに経験的にやっている風である。現実への応用に踏み込む気はないが、正しい式を与えるところくらいまではいきたい。そして、その過程で、目指すべき方向へのヒントが埋まっていると期待している。

↑を書いてから、しばらく固まっていた。具体的な問題を設定したら、サクサク計算するだけなのだが、ぴんとがあってくれない。学生や院生に常にいっていることだが、一般的なことを理解したければ、ともかく簡単な例を何度もさわっていくことが大事である。しかし、最初はおたおたするのだな。↑に書いていることも部分的におかしく思えてきたが、ともかく、確実に計算ができて、既知事項と比べれて、実験も可能な状況を追い込んでいく。

うたたねを何度かしたあとで、なんとか方針はたった。ちゃんとできているかどうかよくわからないが。。ラプラス方程式をえっこらえっこら解く...のは嫌いなので、まだ解いていないが、これをみていると、大変、不思議な気がしてきた。あれ.... 圧縮率、熱容量、熱伝導係数が独立ではない。本当か??? 

熱力学によって、熱学と力学が合体され圧縮率と熱容量が独立ではなくなった。SST-project の当初、物性と輸送係数の統合をめざす、、と宣言していた時期もあった。新生SSTは、そういうことを含んでいるのか? よくわからないが、 ひとつ楽しくなったので、よし、としよう。