水曜日

電車。large deviation の式をみる。(i) LD が変分原理で特徴づけられること (ii) sup でなくて inf なこと。(iii) long-range correlation が普遍的にかけていること、をはっきり理解したい。(i)- (iii) のうち、すでに、(i), (ii) は、ほぼ間違いない。デリダさんの講義のあとで、何が難しいか、、ということについて話をしたとき、まず、(ii)の物理 がわからない、といっていたけれど、これは(i) とともに捕まえた。あとは、(iii) だけだが、どうも今の形は汚ない。長距離相関はありそうだけど、具体的にみる気力がうせるほどにゴチャゴチャしている。もうちょっと簡潔にならないか。

流体の熱伝導の長距離相関は変態(=流れがなくても速度揺らぎが最低次で結合しているらしい。これは理論と実験で確認された事実)であることが知られているので、最初に考えるのはよくない。固体の熱伝導でもいいが、これもphonon mode がどうしたこうした、というクロスオーバーがたくさんありそうなので、まずは、SEP で抑えるのがいいだろう。小振幅ゆらぎでSpohn の結果と一致すれば十分であろう。

ところで、この計算をみていたら、重要なことに気がついた。日曜日のノートの段階で、すでに(本当だったら)凄いことを含んでいるではないか。「局所平衡温度(=らふにいって、運動論的温度)の分布は、ハミルトニアンと境界の温度T_1, T_2 だけできまっている。(ただし、境界はスムーズに熱浴につながるとする。)」時間発展を使わないで温度分布が議論できるのは、予備知識がなければ普通にみえかもしれない。しかし、経験の蓄積があるとこれは驚きである。たとえば、熱伝導率の値は時間発展の解析なしでは何もいえない。ヘテロ接合の温度ギャップも当然ハミルトニアンから議論できる。(間違いが見つかからなかったら)大きな前進だが、あまりにも凄い話は間違っている可能性も高いので、慎重につめていこう。

ついでに、「ソーレ力もハミルトニアンと T_1, T_2 だけで決まっている」のもでてくる。おもちゃモデルで具体的な計算するのも簡単になってきた。頭で簡単な場合を計算してしまう。おお、ソーレ係数の符号が反転する不思議さがよりわかってきた。これは、わかりやすい例題をつくって、符号反転の最小モデルをつくっておくべきだ。時間発展が絡んできたら、たくさんの仮定をおかなくてはいけなくて面倒だと思っていたけれど、静的な話なら話はずっと簡単だ。これは物理センスのある人ならすぐにできる重要な良問と思う。