火曜日

朝起きたら、昨日の問題が非常に大事な気がしてきた。岩田さんが△をやっている間に、僕は▽をやってしまおう、、と思いたち、(朝の電車で)仕事を横において具体的なことを考えはじめる。その重要性について岩田さんに喋っていると、相乗効果で次々と展開が見えてきた。(今週中にもでるだろう)最初のtrial でこけてたら全部だめだけど。

とくに、activation event (=ergodicity breaking transition を壊す稀な事象)の正体をみることについての展望はこれ以上ないくらいにわくわくしてきた。この課題については、ブショーさんが駒場にきたときに、彼に質問した。そのときの答えは、考えてなかった方向の話で、ふーん、なるほど、そういう方向があるのか...と軽く衝撃をつけて、今も少しづつそっち方向の準備はしている。しかし、僕が最も衝撃を受けたのは、岩田さんがぶしょーさんの前で喋っていたときの山場で、「君たちがとらえている揺らぎだと○○だから、MCT とは違うね..」という(極めて秀才的な)コメントの次に、ふっと僕の顔をみて、「あ、だから、お前のさっきの質問か...」というボソっとした一言とそのときの目だった。僕たちが遠くに朧げに見ていて、つながるかどうかぎりぎりにみている、まさにその方向を見透かせる人が実在すると思っていなかった。

そして、その方向にいく重要なステップがジュリオの具体的な提案[= Iwata-Sasa はrandam graph の○○に適用できるよ。] にあったようだ。(ちなみに、ジュリオにも activation event についても質問した。それに対する彼の答えは、秀才として完璧なもので、僕は明晰に現状の技術的な問題点を理解した。)

(半分くらい)悔しいことだが、動的相関の研究は、彼らの示唆とおりにすすんでいくことになるのだろう。もちろん、アプローチの原点が自分たちから出ているから、それでもいいのだと思える。それにしても、今の段階で、伝統的な専門家にはいかがわしいとしか見えないだろうアプローチに対しても急速にピントをあわせられる彼らの凄さは半端でない。この研究をするたびに、彼らの顔がちらついてくるようだ。僕の今までの研究では、こういう経験は全くなかったので、それはそれで楽しいことだけど。