金曜日

先日、金曜ロードショーで「耳をすませば」をやっていた影響で、次女がはまってしまった。僕はこれをみたことがなかったのだが、家にいるときは「隣」でずっと流れているので、気がついたらひととおりみた感じになった。

中学時代は僕にとって今でも聖域かもしれない。第1にクラブ活動で、その次が友人関係だった。いまでも鮮明に覚えているシーンはたくさんある。屋上はやはり別空間だなぁ...とか。(あのシーンで屋上にいったのは普遍的だよ。)中学生のとき、普段は21時に布団にはいってラジオを聴きながら寝ていたが、一度だけ夜中の25時までおきてペンを動かしたことがある。(布団の中でだけど..)

小学生のときに3辺の長さから3角形の面積を知りたかった。(底辺*高さ割る2はバランスが悪いからだろうな。)教科書以外に勉強の本は家になかったし、気がついたときに、ときどき挑戦していた。で、中学3年のある日、3平方の定理を学校で学んで、教科書にある単純な練習問題を黒板でやっていた。一日の生活が終わって布団にはいって、その問題が頭で反芻しはじめた瞬間に、面積が求まる気がした。(いつもの)4,5,6の3角形を例題にして考え始めた。3時間くらいかなぁ、、計算できた。途中からトリップ状態になっていて、すぐさまa,b,c に一般化した。それから1時間くらいかなぁ、終わったのは。その瞬間、全身から血流が逆流するかのようだった。

あくる日、先生にみせたが、あっけない応答だった。そして、日常はあいかわらずクラブ活動と友人関係で占められていた。それでも、あのときのあの興奮が今の自分につながっていると思う。高校1年で志望大学を決めたのは、研究者という職業があることをちゃんと知ったからだけど、それを選んだのは紛れもなくそこから来ている。

今、本当に恵まれていると思う。周りの皆さんのおかげで、中学3年のささやかな体験を大きくしたような興奮を味わう機会が何度かあった。そして、時間の関数として興奮の度合いが(平均的には)大きくなっている。現時点でも爆発寸前状態だと感じる諸々がいくつかある。(そこを爆発にもっていくのが難しいのだが。)このまま80歳までいければいいな。研究の現場で興奮している80歳の研究者って素敵ではないか。