月曜日

自分の講演。物理学会の発表で、準備にかかった時間は過去最高である。200人収容の会場が満席になることは想定していた。小松さんと中川さんがマイクを使わず大きな声で明朗に講演するのも想像していた。で、昨日、あれこれ考えた結果、まずマイクを使うことにした。僕は普段100人の学生の前でマイクなしで講義しているし、今日くらいの規模ならマイクなしで声を通すことは出来ただろう。だけど、今日に限っては、マイクを使って喋ることにした。そして、口調の選択。いつもの元気のいい講演ではなく、控えめにそして語りかけるように喋ることを選らんだ。とはいっても自発的に壊れるのは妨げない。鏡の前で何度か版を試して路線を決めたのだ。

細かい点で色々と不満はあるにしても、その不満点を全部列挙できる程度に自分を把握できて発表できたのでよかったと自分では思う。

この点は、小松さん、中川さん、みやまくんも同様で、みなさんがいつも以上に過敏なまでに準備した発表だ、、というのはわかってもらえたと思う。こういうプレゼンに対する姿勢がひとつの雛形としてあればいいと思う。

この4連続の発表内容については、日本物理学会において歴史的講演になる可能性もあるし、面白いんだけど自然はそんな甘いものでもないという例になるかもしれない。ま、そういう位置づけだと思う。こんなことは歴史が判定するので数年たてばわかるでしょう。

午後。大久保さん、板倉さんと議論。素晴らしい!のひとことに尽きる。3人連名の論文を書いて公表することで合意がとれて、最後は論文構成の話をする。僕のノートを送ったのは2週間くらい前だけど、その時点でここまで進化するとは全く思ってなかった。考えうる限り、最速のコースで理解したいことに(ほぼ)到達した。宿題はいくつかでているので、それをちゃんと消化した上での話しではあるけれど、僕の気分としてては、峠は越えた。勿論、板倉さん、大久保さんがそれぞれ個人であれこれやられていたことが蓄積していて、僕としてはそれらを学んでいったにすぎない。しかし、いいよねぇ。こういう展開は本当に楽しい。[繰り返し書くけれど、これは、前もって用意されたプロジェクトでもないし、予算的なつながりはない。そして、こういう展開こそが(僕が考えている)物理だと信じている。]