水曜日

朝8時半に大学にいって、1限の試験監督。

その後、k-core 論文の作戦会議。どうもまだ腑におちきってなくて、今のまま論文投稿するのはよくない。冷静に考えをつめて、理解しているところを丁寧に書いて、理解していないところはわからない、と書くのがよかろう。(全体的にかっちりしている論文なので、不用意な論旨を紛れ込ますのはバランスがよくない。)岩田さんのデータを全て見て、「今の理解はこれ」というべきだと決めた。今月投稿を目指すために、その部分を超特急で差し替えする。

通常の臨界現象では、横軸epsilon 、縦軸にゆらぎ強度をとって、epsilon を小さくしていくと冪発散領域があって、相関長とシステムサイズがぶつかるところでおれまがってさちっていく。k-core の場合も、脱出時間のゆらぎでみると、O(n^{-2/3})のところで折れてさちっていく。有限サイズスケーリングも完璧。ところが、これを軌道のゆらぎ(俗称 \chi_4)でみると、折れ曲がりが2箇所ででてくる。ひとつめは O(n^{-2/3}) でもうひとつは O(n^{-2/5})*1。有限サイズスケーリングは中間のところで厳密でなくなる。[うぬぬ、これを書いていて、「相関長の立場から説明してみよ。」という中の声がしたけれど、即答できない。どうなっているのだろう?]

この二つの折れ曲がりは理論からの帰結だけど、それをどう考えていいかわからなかった。特に中間状態の様子を理論的にいえなくておたおたしていた。(informal な数値データでは面白い結果もあるが、全体を貫く綺麗な筋がみえなくて、今度の論文では、そこは全面的に削除することにした。)結局、ep fix, n->無限でみえるべきは O(n^{-2/5}) の外側だけなので、そこでいえるべきだけを書くことにしたというわけ。

\chi_4 はやはり変だね。うん、きっとそうだ。その台詞をライデンで言ってみろ。(いや、言うけどさ。)

*1:ジュリオに教えてもらった Dembo-Montanari 論文では、(違う量を相手にして)O(n^{-1/2}) で折れ曲がりがある。これは、数値的にウラもとっているけれど、僕らはこの寄与を操作的に排除している。n^{-1/2} が n^{-2/5} より小さくてよかった。