土曜日

ニュートン運動方程式に従う超多数粒子の集まりを外から叩くと、(系が固体でなければ)、その長距離長時間の振る舞いが5つの保存量の流体方程式に従がうことはほぼ間違いない。しかし、この方程式をミクロから導出するには、今のところ道具がなさすぎる。もちろん、くりこんでいった固定点をみせればいい、、という話だが、それは問題を言い換えているだけで、一歩も進歩していない。

ところで、(適切な)希薄状態を定義して、そこでボルツマン方程式を出して、それから流体方程式を出すのは、理論物理の精度では終わっている。数学的にも条件はどんどん改善されているようだ。ここで、後者のことを、流体方程式の「便宜導出」とよぶ。(もちろん、条件をきちんと書くことができて、正しい議論を展開しているので、それ自体は便宜的ではない。「便宜的」なのは、その導出をもって、流体方程式の導出だと読みかえる箇所である。)「便宜導出」と「ちゃんとした導出」のギャップについては、常日頃から周りの人にはいっているのだけれど、そろそろまじめに考えないとね*1

粒子系は難しいので、それよりずっと簡単な系からやりはじめるべきだ。板倉=大久保=ささ論文が止まっているので、それを動かすために、ともかく反応拡散方程式の導出について、「便宜導出」だけでもやっておこうと決意した。もちろん、既に多くの人がやっていることだが、自分の言葉で整理しようとすると結構手間どってしまった。24時頃にやっとわかった。近日中にはこれを補足して、草稿をおふたりに送ろう。リマーくの部分なので、本筋ではないのだけれど、ピンどめかかってカレントがゼロになってはまずいので、ピンをはずして完成にまでもっていかないと。。(テクニカルペーパーだけれど、近い将来の役に立つのは確信している。)

今日はこれでいっぱい。fluctuating hydrodynamics vs 熱力学拡張 は何か見えそうなんだけれど、式を真面目に書くと違っている。基本的に、非常に眠くて、うたたね王様になっていた。

*1:「超」渋い話なので、M1までの勉強時代に取り組むか、こつこつ研究にとりくむ環境にいるか、サイドジョブ的にやるか、でないと中々難しい。例えば、大学院生が博士課程に取り組むテーマではない。