月曜日

講義、案件1、案件2。整理が悪くて、version管理が出来てなくて困る。特に、事務的な仕事はこれで時間的ロスが多くなるだけでなく、ミスも増える。対処法を真面目に考えるべきとかもしれない。しかし、もともと整理が嫌いな上に、ファイルの扱いも苦手なので、僕にとってのベストな整理の仕方は自明ではない。

往復の電車と講義までの合間の時間で、「固体は流れるか?」問題をやっていたが、やはり難しい。出来るところからボチボチと、、というので、まず、秩序相で線形応答係数がゼロになるのは確認した。(それも即答でなかった。あたり前に見えるけれど、式で論じると簡単ではない。)で、それを超えたところでは、、ううううむ。

いじっていると色々なことを思い出した。

その1)真性特異点といえば、、(保存)調和振動子に対してバネ定数を外から時間変化させるという非平衡性を考えたときの作用やエネルギーの応答だ。苦労して計算して、非平衡度に対して1次の寄与を計算すると、その係数はゼロ。2次もゼロ。そこから先はやっていない。正直にいうと、僕の計算では、最初1次の係数は有限だったが、計算間違いだった。(小松さんは正しい計算をしていた。)10年以上前の岩手大学での学会中にその話を関本さんにすると、ランダウに結果があるはずだ、という。僕は記憶にないので、図書館で調べようとした。僕の記憶のとおりそんな話はない。関本さんが版が違う、、と言い張り、岩手大学の全てのランダウを並べてもらった。何と、たったひとつの版だけにその計算がのっている。。うぎゃ、非平衡度に対して真性特異点のようにふるまう。。

その2)対称性の破れと流体モードの関わりって、実は、僕のD論のテーマだった。対流パタン(=空間並進対称性の破れ)ができるときにGL的にかけるというのは当時ではもう標準だったけれど、液晶対流の場合には、対流ができたあともう少し非平衡度を上げると、欠陥が自発的に生成しはじめる。GLだと欠陥の自発生成はない。ノイズによる活性化過程としての生成という議論があったけれど、そんなゆったりした雰囲気ではない。きっと欠陥の生成消滅を伴うカオスだろうけれど、GL記述が妥当な状況でカオスが生じるようなモデルはなかった。流体効果との結合は標準的な議論だったのですぐに考えたが、それではカオスは生まれないことを示せてしまう。ただし、その流体効果が運動量保存だけから来るならば。液晶の場合、弾性やら何やら色々あるし、縛りはもう少しゆるいはずで、そうしたらminimum coupling はそのままでも、係数はなんでもありかなぁ、、、と。純粋流体効果ではプラス1しか許されないパラメータ値をマイナスの適当な値*1にすれば、不安定性が生じることがわかる。で、実際、printer で100枚の画像を打ち出して紙芝居を作ると、おぉ欠陥の不規則な生成・消滅が生じている。D2の11月だった。ぎりぎりだなぁ。。

今、問題になっているのはカオスではない。むしろ、活性化過程としての欠陥の生成に似ている。当時、苦し紛れにいじった係数は、今回は絶対に変更してはいけない値になっている。でも、活性化云々の話はどう考えても難しい。もうちっと素朴にできないか。。例えば、その1)で真性特異点が出たような感じで..。

*1:Mathematica を駆使した解析によると、確かにその係数は負のそのあたりの値になっていることが後で示された。