日曜日

D論読み以外のTO DOをやって、「固体は流れるか?」問題を考える。ミクロ多体系で数値実験をしながら、論点を絞る。昨日書いていたのは狂っていた。(振る舞いは間違いではないが。)非平衡側からおりてくるとき、saddle-node like なひっかかりがあって、そこで時間尺度が強烈に増大していたようだ。これはこれで面白いが今は見ない。(多分、shear band とかと関係する話。)それより平衡側のところに焦点をあてるが、ここはここで数値実験は大変だ。様子を見えるところからあれこれ見て、頭をひねる。そうこうやっているうちに、やっとピントがあってきて、僕が考えるべき問題設定が完了した。

要は、対称性の破れとhydrodynamic modeの関係を見極めることにつきる。critical dynamics におけるhydrodynamic mode の影響は'70年代から議論されていることだけれど、それを「対称性の破れそのもの」で議論することに尽きる。で、今、ミクロ多体模型として数値実験している世界のメソの連続場記述を書き下す。なるほど、なるほど、終了。[このあたりはこの10年の非平衡統計で鍛えた技のおかげ。] 平衡状態での連続対称性の破れの存在、境界での非平衡条件かつ高温(disorder state) での流れの存在など問題として要請されるべき状況は全て満たしている。そして、解くべき問題は、非平衡条件かつ低温(ordered state)での振る舞いを明らかにすることである。摂動として、非平衡条件を作るために境界で与えたストレスを考えて、真性特異点的応答を示すかどうかを明らかにするための摂動計算を行うのが具体的な問題になる。勿論、その応答を示すならば、いわゆる"非摂動論的ゆらぎ"を扱う問題になる。非摂動論的ゆらぎの摂動論は、必然的に、特異摂動になる。非平衡ゆらぎ、特異摂動、異常応答、非平衡相図などここ数年に僕たちがやってききた話が全て関わってくるのも楽しい。