月曜日

朝の電車:昨日の計算は間違っていなくて、数値実験の仕方が変だったのだと決めつける。朝から夜までぎっしり埋まったスケジュールの僅かな隙間で、7月の香港やソールのチケットの電話をしたり、昨日計算した模型の数値実験をチェックする。数分で直して合間合間に飛ばしたのを観察する。

素晴らしく面白い。パラメータ空間上で色々アニーリング実験すると、あるところで「異常な振る舞い」が生じる。今まで経験がない振る舞いだ。そして、それは見事に昨日の双対変換で不変になっているところで起こる!なんだこれは...、と気になるが、今日はざっとした観察しかできなかった。

悲観的には、また何らかの幾何学的な対称性の破れが埋まっているのかもしれない。しかし、基底状態ではそういう対称性の破れはぱっとは見えない。(ないことを示すのは簡単ではない。)さらには、そういう対称性の破れが起こる場合には、転移はもっとはっきり見える。今回のような得体の知れなさはない。

探していた熱力学ガラス転移か?というと、これも少し違う気がする。想定している「ガラス転移」では遅い緩和のせいでシャープな異常性がマスクされているので、まずは遅い緩和を超えないと話にならなかった。こんなに早く異常性の兆候が見えるのは何か変かもしれない。(ただし、低温側で激しいrate 依存性はあるので平衡のデータを見ているわけではない。)

何だろう。disorder-disorder 転移かなぁ。そうだとしたら嬉しいなぁ。(4月のも不均一状態への転移だが、あれは Z_2 x Z_2 対称性が破れて、不均一状態にいくだけなので、転移自体に新奇性はない。)

今回は転移点が理論でわかっているから楽だ。しかし、ことごとく「そこ」で異常になるのを見ると不思議な気分になる。双対変換おそるべし。イメージなんてかけらもないけど。