水曜日

出張終了。個人的には楽しかった。先週までの怒涛の日々のあとの休暇的な要素もあったし、初日の夕方に発表を終えていたのもあったし、普段聞かない話をたくさん聞いたというのもある。講演は、シンポというのを意識せずにそのまま喋ったものから、素晴らしいものまで色々あったけれど、そういう濃淡も含めて楽しんだ。

今日は、笠さんのtopological insulatorの話が素晴らしかった。1年前の学会シンポと内容的には大体同じだけれど、今日の方が迫力あった。核心部分の導出は分からないし、数学的に大変だーという話を風の便りで聞いていたので、そこはおいて聞いた。それでも、研究の凄さは伝わる。偶然、昼食をご一緒して話をすると、あのテーブルはいくつかのやり方で出せるらしい。そうか、シンポの場で聞くべきだった。

志垣さんの高エネルギー最新実験の講演もテンポよく明快に構成されていたのだけど、どうしても、研究者個人の躍動が見えにくい話だから、覚めてしまう。(高エネルギー物理として前人未踏領域に挑んでいるのは学問としては分かるけれど、それは多くの人が大きな声でいっているし...。)

松田さんの(今まで実現していない相をきちんと実現した)実験結果も素晴らしいし、講演の仕方も独特な風味があって、大変楽しめた。ただ、なんというか、実験できちんと実現するのが難しいものをちゃんと作ってみせたという面が綺麗になればなるほど、次への可能性がないように感じてしまう。もちろん、詳細では色々あるんだろうけれど、その色々が未来につながらないと...、というのをきちんと表現できずに、粗忽な質問になってしまって崩壊してしまった。すいません。。。

QCDの臨界点の動的臨界現象はモデルHでよいかも、という話は、何度ポスターにいっても、一度も発表者がいなかった。ポスターみても分からないし、聞きたかったんだけど、仕方ない。講演でも関連する話があったけれど、肝心なところが全く分からなかったので、何ともいえない。

ポスターなどで他分野(主にブラックホール関係がらみ)の若い院生たちと喋れてよかった。3月に3件ほど勉強する予定にしている。あ、そうだ、広い意味の同じ分野のU君(学部4年生)のポスターも聞いた。ポスターの説明を聞いたのでなくて、ポスターを前にして、質問攻めにしただけだけれど。世界の見え方が独特で大変面白かった。(本人は、「独特ではなくて、当たり前ですよ」というであろうけれど。)研究をできるかどうかは未知だけれど、うまく成長してほしいなぁ。