金曜日

今日も、会議ひとつだけで、時間が十分にあったはずなのに、すすまない。時間があれば研究できる、ということではない証拠だな。来週公開予定のぴゅあがらすの研究は、1月にアイデアと実装をやっているのだが、一体いつどのようにその時間を確保したのか実は記憶がない。(しかも日記をみてもいつなのか分からない。)

「不規則な配置で固まる熱力学相」を作ろうと3年くらいやっている。最初はランダムグラフ上でそれが実現するBM模型シリーズの有限次元版をやっいた。結晶けったくそ悪い、、となって、2年前、不規則基底状態をつくる路線に入った。ビギナーズラックで、不規則基底状態と(双対性による)転移の存在の両方をもつ模型にあたって論文を書いた。この共存相はガラスっぽいかも...と期待されたが、そうでないことが大分後で分かった。その後、タイルシリーズで頑張るが中々かたまってくれない。この膨大な試行錯誤で、「不規則配置」と「固まること」の相性の悪さを皮膚感覚的に分かるようになってきた。昨年、不本意ではあったが記録を残すために、ある軸にはホモを許して「不規則配置」と「固まること」の共存は見せた。しかし、やっぱこれはダメだよなぁ。。昨年、夏、128状態模型にして、「等方系で不規則配置が固まるような気配」が見えてきた。しかし、これも慣れてくると、融ける可能性が高くなってきた。

1月末の段階でも理解は錯綜していて、どのように論文としてまとめていいか分からなかった。(日記にそう書いてあった。)ところが、気合十分で臨んだのでなく、ちょっとしたアイデアで試した結果が、綺麗な1-RSBを示していた。これは(東大退職が認められた)2月16日。分かってみれば凄く自然な発想である。

不規則なパタンをたくさん用意するのは従来の方針と同じ。それを基底状態ではなくて、局所最小状態にしておく。つまりエネルギーがばらつかせる。すると、不規則パタンなので中心極限定理でエネルギーはガウス分布になる。(=確認済み)その系に対して温度をさげていくと、ぎりぎりのところまでエネルギーがさがって、限界の不規則配置の族のところに到達する。そこで「固まる」と思える。

これはよい筋だが、本当にかたまるか、、というと、たくさんの論点があって、正直わからない。そういう大まかな論点のリストアップができたのが実は先週である。この1週間はそれらについて、研究せずとも分かることとか次の研究方針の模索とかしていた。不規則パタンでエネルギーがガウス分布になって、、という論旨をフル活用すると、十分低温で固まる現象論をつくる(でっちあげる)のはできるが、気持ち悪いところがあって...、うげぇーとなっていた。(論文草稿にはそういう気持ち悪さは前に出さずに、ウラどりができているところと筋と数値計算だけにしていた。)

そうだ、今こそこの解説を読むべきだ。。と思ったのは昨日だったか。3次元イジング模型にランダム磁場(RFIM)が入ったときに秩序相が残るかどうか、という問題に対する論点の所在が凄くよくわかった。↑の問題では、そこにいくまえでも微妙なことがあるので、RFIMよりもずっと面倒なことになっているし、、こりは大変だ。。

でも、一気に解決するなんてことを考えてはいけない。今回は、いくつかの状況証拠を伴ったアイデアの提示というのが目的なのだから、完全に何かをすることを基準においてひるんではいけない。。逆に、段々、開きなおって落ち着いてきて、論文を少しいじった。今日が構成をいじる最後の日の予定。。。さぁ、どうかなぁ。