水曜日

結局、火曜日と水曜日の出張もキャンセルになった。これは、「ブラックホールダイナミクス、情報」についての横倉さんのレクチャーに参加するためだった。横倉さんの説明は僕にとって大変分かりやすく、断片的なことでも理解が増えている。まとまった勉強をしなおして、自分なりに考え抜きたいと思っている。その助走として位置付けていたのだが、月曜日の夜の時点では大変厳しい状態だった。(月曜日大学にいって夕方の1年セミナーを終わって帰るころには腰が悲鳴をあげていた。)結局、4月からここまでの出張予定は先週と今週の7日間だけだったのだが、全てキャンセルになったことになる。ふぁ。。。

事務的なことも溜まっているのだが、本来出張日に事務的なことをする気力もでず、原稿をすすめる気力もでず、精神的におちこんだときには、研究するのが一番いい。先週からやっている「(並進対称な模型が、ブラッグださずに並進対称性を破る)乱流結晶の構成」について、ピントがかなりあってきて、いくつかの案をボツにして、ほぼ最終案になりつつある。もちろん、このほぼ最終案が乱流結晶になるかどうかは分からない。基底状態が不規則なのは多分間違いない。(完全な証明はできないが。)問題は、有限温度でその不規則な状態に凝縮するかどうか...。今回は、3次元XY模型を基本にとっている。これは転移を示すが、位相対称性の破れといってもいいし、スピン波の凝縮転移といってもいい。この模型を人工的に変形する。例えば、1次元系の場合には、スピンがそろう基底状態からカオス時系列が基底状態になるようにハミルトニアンをちょっとだけ変える。ただ、1次元系の場合には、どっちみち転移を示さない。スピン波の凝縮は3次元系だから、この模型を3次元化する。基底状態がカオス時系列になるわけではなく、3タイプのカオス時系列がフラストレートして折り合いをつける感じになっている。局所極小状態は無限にあり、エネルギーランドスケープは複雑になっているの間違いない。温度をさげると不規則状態に凝縮してもいい気がする。

準備段階の観察しかしていないが、まず、1次転移は生じていない。熱容量がガタっと変わり、ゆらぎが急に減るのはすでに観察されている。問題はそれが特異的かどうか..。そして、凝縮転移になっていることをどうやって示すか。しかし、今のところのダイナミクスの観察では、ガラス的な気配がまるでないのはちょいと気懸り。まぁ、計算機実験もまだ10分くらいの計算だから、何とも...。(ガラス系の計算だと、10x10x10のチビチビサイズでも、2週間とばしてやっと「重なりオーダー発現!」とかそういう世界だからなぁ。まぁ、夏休みかけて気長にゆっくりやる。このテーマでは、今年は1報論文発表が目標だから。)