火曜日

χ_4 論文  公開。version 0. から2ヶ月近くになるので、もう冷静になっている。MCT グループやスピングラスグループの堅い牙城をおびやかすのは、この論文ではまだ無理だと思う。ここからが正念場。[うぬ。Chandler グループからメールがきている。時空測度をまずみる点で共通の精神をもっているのは知っていたが、彼らは指数の議論ができてなかった(はずな)ので、参考文献にはのせてなかった。折角の機会だから、議論しつくしてしまおう。僕も聞きたいことがあるし。]

きっと個人史的に印象に残る論文になると思う。10年たってみないとわからないだろうけど。ところで、χ_4 をテーマにしたのはかなりなりゆきである。第一に、岩田さんがM1の終わり頃、「臨界現象っぽいことをしたい」「記憶に関係することをしたい」「地道なことをしたい」といっていたのが全てのはじまりである。それなら、まず、ガラス系で高温側から愚直に(MCTを勉強せずに)時間相関関数の計算をしましょう、、と。低温側にいけば履歴依存現象は色々あるし、B-B の話と絡めば臨界現象っぽいことにもなる。しかし、それらは随分先のことだと思っていた。急展開したきっかけは、1年前のパリでの会議である。Bouchaud の講演を聞いている途中で、「サドル接続分岐の近くで揺らぎの理論をつくるのがもっとも自然だ」と頭が反応した。また、その会議の多くの講演がχ_4 の話だったのも影響している。

あれから1年か。次の1年、次の1年。