日曜日

午前中かけて、KNST論文のとある部分について最終確認をしていた。99パーセントの確信度で、誤りがあることを認めた。短い論文であるが、説明を省略してある部分に誤りがあるのでなく、論文中に書いてある部分に明示的に論理的エラー*1 がある。だから、このエラーを見つける人はいるかもしれない。全く直観的でないので、そりゃないぜ、、と思うが、間違いは間違いである。(その直観の甘さを納得する手続きをやっていた。)数学として不安な部分でもあったが、直観的にいけそうなので大丈夫だとしていた。

というわけで、どこまで後退するのか、わからない。現在の論文草稿の形の SST をそのまま提案することはできない。たとえば、ずりコロイド多体系でのシャノンエントロピーの熱測定による決定 -- とかは、生き残る可能性がある。(午後に検討する。)8月中旬の段階では、これだけでよろこんでいたので、もしこれが生き残れば、それだけでも喜ぶべきかもしれない。 

熱力学は一旦ズタズタになるだろう。エラーの部分を避けて、再構成の道を探ることになるのだろうけど、どこまで回復して、どういう風になるのか、見当もつかない。ただし、数値実験でSST-Maxwell がいい感じでいっていたとか、、があるといえばあるが、ともかく一歩づつ。

午後、のたうつ。どういう条件のもとで何がいえるのかの整理をしていた。綺麗な形にならない。夕方、一足はやく田崎さんから、現時点でもっとも確実におさえれる拠点のノートがきた。(昨日は移動日だったこともあり、夜までメールのやりとりがなかったのだけれど、あぶない点については、ほぼシンクロして同じことを考えていた。ただし、田崎さんは、昨日の時点からすぐに滑落しておちきる前の拠点づくりにはいっていたようだ。)

完全に滑落して麓までおちることはないようだが、失うものは多い。幻でみたものからすると急落下だが、何もないところからすればまだ高いところにいる、、というべきなのか。ともかく、落ちて時間がたっていないし、まだ色々な意味での風景をみきっていない。当面、おたおたするだろう。

*1:仮定が不自然だとか、出発点が認められない、、というのとは別である。すべての理論には、仮定があって、論旨があって、結論がある。たとえば、今回の論文でも、出発点の(1) がおかしい、、といいはることはできるし、そういう物理感覚をもつ人がいるのもわかる。ただし、そういう議論は、別の話である。(1) について議論するような問題を提示して考えるべきである。[この区別は大事であり、意識的にみないといけない。]今回はそういう類のものではない。たとえば、数値実験でバグがあったとか、手計算で項をひとつ落としていた、、とか、と同じである。そして、その結果、論文でひきだしている結果が違うのだから、致命的なエラーである。