金曜日

いくつかの仕事を来週以降にまわして、今日中に学会誌の原稿のver.-1を仕上げることにした。ともかく構成を固定したいので、要約と参考文献と著者紹介もちゃんといれて、分量と残った時間を考えて、あれこれと決断する。結局、刷り上り7ページ(ぴったり)路線で進むことにした。[渡辺さん、本当にありがとう。この作業はスタイルファイルなしでは不可能だ。] 

時間がなくなるのできついといえばきついが、色々と勉強になる。22年ぶりに川崎さんのAnnals of physics のMCT 論文を見る。うーん。22年前に消化不良だった諸々が、ようやく見えてきて、その素晴らしさに舌を打つ。そこでそれを考えて、そこまで引っ張って、そこにいくのか。例えていうなら、KN/KNSTから出発して....(秘密)。今の僕たちが置かれている状況が60年代後半に似ていると言えば似ている。5年後にそのAnnals of physics に相当する論文を発表できるかどうかだな。そういうわけで無駄に闘志が沸いてきた。
 
また、70年代を考えるときには否応なしに蔵本さんの凄さを再認識させられる。蔵本さんの70年代の転向については、文献学的にも個人的な会話でもその経緯を完璧に理解しているつもりで、その影響は大きく受けている気がする。おそらく僕が蔵本さんから受け継いでいるのは、ボスの破壊なんだと思う。かって蔵本さんが線形応答理論の始祖でもある富田さんを(大きく気にしながら)無視した道を選んだように、僕も非線形動力学の始祖である蔵本さんを(大きく気にしながら)無視した道を今は歩んでいるのだろう。