火曜日

明日から休暇なので、ばたばた。何か忘れている気がする。

僕のところでとまっている論文を吐くために、これからの2ヶ月は集中して取り組まないといけない。この機会を逸するとずるずるいってしまいそうだから。

BM模型:京都での多くの人のコメントを踏まえ、どうしようか、、という話をふくしまさんとする。とくに、じゅりおのキラーコメントは「今の模型の脆さ」を核心的についているように思える。「それはそれで面白いやん」とは彼の言だが、(もし本当に熱力学ガラス転移だとしても)”普通のガラス”ではない。何というか、模型が臨界的というか、限界的(marginal)というか、そういう香りをもっているので、クリスタルクリアーにならない。1月前にいっていたように不純物を入れるのは今でも正しいアイデアのように思えるけれど、計算が大変で、かつ、理論的にも面倒そうで、僕は萎えてしまっていた。

ところで、今の模型では、パラメータk は k=1 にしているが、このパラメータを0 にすると、「はーどへきさごん」になる。厳密解はバクスター先生によって知られている。有限サイズでどう見えるのか気になっていたのだけれど、ふくしまさんが計算していた。ほう、綺麗なまでに、圧縮率の発散を伴って結晶へ連続転移している。[国場さんに教わったあとで、グラフを手で書いたことがあって、それと同じになっている。] この状態方程式は、k=1 で僕たちが普段みているのとは違うし、動力学に"glassy slow dynamics" はでない。

k=1 の限界状態からガラス側にころがすために、k=0とk=1 を混ぜようか、という安易なことをいってみる。でもパラメータが一個増えることになるので、狙い撃ちをしない限り、面倒なことには違いない。もっとも単純なパラメータだとk=1 の相で制御されるので、意味がないし、それ以外のパラメータだと何かと複雑になっている。うーむ...。とうなっているところで、ふくしまさんが、「k=2 という手もありますね」という。他人がいったことはとりあえず反論したいので、「でも...」とかいうけれど、絵を見ながら少し考えると、いい感じかもしれない。k=0で非ガラスでk=1で限界なら、k=2 で真正ガラスというのは悪くない。まぁ、とりあえず、電車の中で絵でも描いて、考えましょうか...。

その数時間後には、「k=2 の基底状態はdisorderだろう」、とする結果が福島さんから送られてきた。それを見ながら、ぱぱぱぱっと考える。パタンの本質は k=1 のときとかわりがないように思えるので、転移があるかもしれない。これで転移があれば、任意性は相当に減る。自分でも確認したかったので、食後にアニーリング実験と交換MCのjob をざざっと流す。少なくとも「動的な意味での」ガラスは生じている。問題は、有限密度での熱力学転移だが....。さて、どうなるかな。