水曜日

Wang tiles: n種類の正方形を(無尽蔵に)用意する。それぞれの辺にはk種類の色が塗られている。正方形を(向きは最初の指定どおりで)隙間なく並べていくが、接する辺の色は同じでないといけない。このとき、タイルを∞にまで並べることができるが、周期的タイルは存在してはならない − というようなタイルの種類を用意できるか? というのが問題。

このようなタイルは確かにあって、n=14が(僕が知る限り現在までの)最小記録らしい。昼ごはんを食べながら、n=14 のタイル構成例の論文を見ていた。ほう、周期的タイルがないことは、初等レベルの演習問題ですぐにわかる。なるほど。∞にタイルできることの証明は、数論的知識がないと分からないが、、待てよ、これも本質は難しくないように見える。。帰りの電車で少し考えていて後少しで核心部分が分かりそう。次回には人に説明できるくらいにはなるかな。

その構成方法からして、5月模型と類似な構造を持っている。辺のミスマッチにエネルギーを与える有限温度版を考えると、ゼロエントロピー密度、不規則、∞縮退な基底状態からつながる相があるような気がする。ぱりじ先生たちの数値実験は、オーバーラップの測定にすぐに走っているけれど、本来やるべきは、その変な相をきちんと特徴づけることであろう。

5月模型論文改訂版の再投稿も終わったので、共存相の純状態の数について数値的探索をはじめることにした。。そんなことができるのか -- いや、厳密にはできないけれど、数値的に色々なことは分かる - ということが、この3ヵ月で学んだ。例えば、気液共存相と同じなら一瞬ではじくことができる。そのテストのテストランをやってみた。

サイズ固定で平衡化するまで順番にデータをとっている途中だが、いい感じだ。これを見て気液転移と同じ(=純状態の数が2)という人はいない気がする。でも、プロにみてもらう必要がある。今のサイズで平衡化したら、こういうデータに慣れているだろう、福島さん、能川さん、田中さんに見てもらおう。ちょうどそのグラフを見ていたときに、たまたま部屋にきた太田君にそのグラフを見てもらって、「いい感じであろう」と強要する。

しかし、Wang tile にしても、5月模型にしても、有限温度系に対する攻略に妙手があるわけではない。(基底状態は数論的世界で尽きている。僕には面倒だけれど、やれる人はやれる。)5月模型は、self-dual line で転移するし、低温、低磁場で転移するので、絶対に攻略ができるはず....なんだけどな。。