土曜日

今日は、ずっと前から、3月18日からの蘇州会議のプレゼン草稿を書く予定にしていた。紙の上のプロットは合間合間にやっていたので、それをみながらともかくざざっと最初から最後まで埋めることを目標にする。まだ空白部分はたくさんあって、後で作る部分は残しているし、体裁とかは何も意識していないが全体の流れを提示する案である。テーマは非平衡統計だが、ストックホルム会議から8割ほど変更することを決意したので、原案を作るまとまった時間が必要だった。それが今日しかなかった。

このプレゼンは、6月のローマ近郊会議、9月のナポリ近郊会議の元になる予定にもなっている。(大変ありがたいことにどちらもinvited speakers/keynote lecturers に名前をのせてもらっている。来年度前半、他にもう一件依頼があったが、出張しにくい用務についているのでもう打ち止めになっていてお断りした。二つとも似たようなテーマで、ざいふぇるとやしりべるとは二つとも名前が並んでいる。)6月までにあと一歩くらいは進展したいし、9月までにはさらにもう一歩進展したい。

蘇州会議の講演は、(既に届けている)ナポリ会議のと同じで"response measurement of rare fluctuations" である。(ローマ会議も講演名の問い合わせがきていて返事しないといけないのだけど、他に返事しにくいことが混じっていてまだ返事していない。。明日返事します。。って、読んでないか。。)これは、「rare event の統計を実験で捕まえる」という大層野心的な話で、研究の企画をたてたのは8年前(2004年5月)だけど、手がでなくてそのままだったのが、根本君の強力な突破力であっという間に風景が変わりつつある。

8年前、伊庭さんと福島さんが書かれた「population MCの論文」を勉強して、large deviation を数値的に計算するテクを学んだ。(分からないところは直接福島さんにお聞きして消化した。)数値的には素晴らしく、確かに計算できるので感銘を受けたのだった。方法としても非常に面白く、クローンをどんどんつくっていくのは、まるで、生物進化のようでもある。そのとき、直接測定量から計算する方法があるような気がして、ノートを途中まで書いていたが、混乱してなげた。方針も今から見ると(多分)間違っている。だから、ほるへたちが2005年だったかにlarge deviation を計算しました、、という論文を(確か)Nature系に出したときには、、「え、なんで、それだけで出すんや...」と少し怒っていた。

もちろん、今なら分かる。僕が真に問題を見えていれば、論文を出した。彼らもそれがゴールでなくて、それを出発点にしてその次があって、、と(特に、ほるへの)頭の中には見えていたに違いない。僕はそこまで見えてなかった。実際に、ゆっくりとだが、確実に進化している。やっぱ悔しいが、問題を見通す力はほるへにかなわない。(いつも同時期に同じような問題を考えていて、先に核心部分をやられている。)

そういえば、伊庭さん主催の会議にほるへがよばれているけれど、そのときに駒場にきてもらおうと昨年から話をしていた。そろそろ連絡とらないとまずいかも。。くしくも、彼の講演タイトルは、"computing rare events"であり、「こっちは計算でなくて、測定だぞー」と内心ではりあっていたりする。ストックホルム会議で彼が僕の講演をはじめてほめたのも、そういう事情があるから。。上述の9月会議ではホルヘも招待講演だし、質を上げることに緊張している。[6月会議の方は(奥さんの)れてぃしあさんが招待講演で..]