日曜日

中学女子バレー。千葉市の試合は合計何試合みたか分からないくらいたくさんみたが、京都では初観戦。面白いことに、京都と千葉で平均のプレースタイルが明らかにちがう。堅実でしっかりした組立てに重きをおくのか、華やかさと力強さに重みをおくのか、みたいな感じかな。もちろん、両方あった方がいいのはそうだけど、そこまではいかないチームがどういう感じに足場をおいてどこを目指すのか、という方針の問題だな。あれ、研究みたいだ。

帰宅して、たくさんの論文赤入れ作業があったのだが、また、にぶい頭痛というか、だるくて重い感じがあったので横になっていた。ひと眠りして、(妖怪のようなものが登場する)非現実的な夢をみて、目がさめた。目がさめると、気になることがあったので、ペンを持ってしまった。1時間だが計算して、忘れないうちに2時間かけてタイプした。"sensor-and-gate" という概念が歴史的にどこから始まったのか調べないといけないのだが、そのような相互作用自体は既知事項に入る。いわゆる悪魔問題の「測定してフィードバックする」という概念と似ているが、"sensor-and-gate" は単なる相互作用の1種であり、例えば、確率過程で表現すると「普通の化学反応」になる。"sensor-and-gate" で動くモーターの表現も関本さんらで提案されていて、運動や全体のエントロピー収支だけみれば「普通の」モーターである。ここで、面白いのは、"sensor-and-gate"によって結合された各部分系のエントロピー収支である。ひとつの部分系ではエントロピーが減り続けているが、他方の部分系では(それ以上の)エントロピー生成がありつづけている。それ自体は、温度の異なる熱浴と接触して熱伝導する場合と同じであり、不思議でも何でもない。しかしながら、熱伝導の場合は、片方から他方へ移動する「エントロピー」の同定ができている。では、"sensor-and-gate" の場合に、片方から他方へ移動する「エントロピー」のアサインができるのか? という問題を考えたくなる。(レスラーさんの問題でこの「エントロピー移動」を考えたのが昨日。)

勿論、これは、確率過程の場合には、6月にpreprint に出た Ito-Sagawa の公式の中に含まれている可能性も高いのだが、"sensor-and-gate" の定常状態に適用しようと思ってもすぐには分からない。それをちゃちゃっとやってみた、というわけである。お、何かでた。状況が昨日より易しいし、意味もとりやすい。。どうかなぁ。。

こうやって書いていると、明示的に補足した方がいいかな。ここまで考えるきっかけになったのは、先週水曜日の白石君のノートのおかげである。"sensor-and-gate"を僕にとってもっとも分かりやすい形で提示する模型を送ってくれた。ちょうど僕が関本さんやレスラーさんに再挑戦しはじめた矢先に、理想のひな形を送ったくれた。そういう模型をひとつ持っていると、関本さんやレスラーさんの言いたかったことが見えてくるので、これは決定的な転機になった。そして、その議論の端緒は、月曜日の田崎さんの「自律デーモン」についてのノートである。自律デーモンは7月の京都会議で3つ講演があって、田崎さんも考え始めたらしい。田崎さんのノートはすぐに内容は理解した。面白いノートなのだが、どうも位置づけが分からない。その位置づけをめぐる議論において僕が欲しい例題を言っていると、白石君が答えを出してくれたわけである。僕自身は「自律デーモンの構成」は面白い問題だと思っているけれど、今の段階で研究としては考えない。例えば、"sensor-and-gate" が自律デーモンかどうか(あるいは、れすらーさん的に内なるデーモンかどうか)という問いには興味なく、単にその振る舞いにおいて自分が気持ちわるいと思う部分を絞り出したいだけである。