水曜日

月曜日は、1回生のポケットゼミ、段々深くなっている。ほとんど知識のない1回生がともかく手さぐり、かつ、手作りで、ミクロとマクロの間にあるパラドクス攻略に向けて、毎週進歩している。僕の役目は、「次に何を考える?」と言い続けること。講義をその場で理解したり、本を読んで先に勉強して理解するのと全く違う営みの経験をしている。僕が大学1年だったら、うわぁ〜無理...となるかもしれない。でも、そういう機会はどんどん増え、大学院後半以降は、次に考えることの選択こそが重要になってくるようになると思う。自分が理解したいことを自分でできる範囲でどこから崩していくか。。。

火曜日は、横倉さんとブラックホール熱力学に絡んだ話。(横倉さんのおかげで)どんどん面白く感じている。だんだんと自分で動きたくなっている。来年の今頃はブラックホールやっているかもしれない。

水曜日は、4回生の課題研究。関本さんの本が教科書としてはボロボロに近い、というのは分かってきたが、これはチェック読みした僕の責任も大きい。確か2007年〜2008年の冬休みはこの本の原稿を読んでコメントを書いたのだが、チェックしきれなかったか。ただし、ミスと説明不足は多いが、学問的な中身で頭を抱えることは少ないし、随所に関本さんならではのポイントがある。4回生のセミナーだから、自分で全部作りなおせばいいと思うが、難しいかな。

量子熱接触:整理整頓。いくら玩具といってもあまりにも酷い設定だったので、物理的なことが議論できるように全面改訂中。勘違いでなければ、弱接触の世界の中でも分類ができるので、そこに限定しよう。そして、模型のクラスを「少し物理的」にしよう。(近接相互作用ハミルトニアンの系をふたつ用意して、べったりと弱く接触させる。)このハミルトニアンで議論している文献があるかどうかは知らないが、完全に60年代と同じ。ところが、この模型の中で、「オンサーガー係数が0で緩和する場合」と「オンサーガー係数が有限で緩和する場合」がある(と期待している)ので、それをちゃんと論じるのを目標にする。まだ完全な理解には到達していないが、概ね正しいところを捉えていると思っている。大自由度トーラスの振る舞いが全てだが、それをまだちゃんと呑み込めていない。ただ、個人史的にはこの1月で爆発的に理解が前進した。(だって、1ヶ月前は、ℏさんと約28年ぶりの再会!という状態だったのだから。)