日曜日

4月が終わった。ちょうど20時頃に予定していていた全ての案件がほぼ終わった。総量もそうだが、件数が多く、予定表で管理しないと何が何だか分からない状態だった。来週のGWは研究に時間が使いたかったので、持ち越さすによかった。

研究関連では、昨日、きちんと評価をして、ノートを書いた。今度こそ間違いない。綺麗だし、自然だし、物理的だし。そして何よりnew-SSTの予言と定性的に整合している。

界面の熱力学というのをファンデルワールスが19世紀に提案していて、僕は秋まで言葉以上には知らなくて、今月になってやっと本質を理解した。例えば気液共存状態で気液界面があるとき、界面でも密度場が定義される範囲で、界面では密度勾配が状態方程式に入ってくる。微分展開の最低次でふたつ項が加わる。このとき、それぞれの係数に熱力学由来の普遍的な関係がある、というのが理論の核心である。(ファンデルワールスはその側面を強調していないが、僕はこれをファンデルワールスの普遍関係式とよんでいる。)

定圧熱伝導下の気液共存状態を標準流体方程式の定常解として捉えようとすると、実は、不定になる。共存する位置について任意でよい。この手の問題は至るところであらわれ、いくつかのパタンに分かれる。例えば、界面での状態方程式微分展開として加えると、こういう縮退が解けて、解が一意に決まるようになるだろう、というのは容易に期待できる。平衡状態の場合には、確かに決まり、決定された界面の位置は熱力学変分原理によっても決められるのと一致する。この一致を見る際に、上記のファンデルワールスの普遍関係式が決定的な役割を果たす。熱伝導下では、熱力学変分原理は(そのままでは)使えない。しかし、界面の状態方程式を考えて、解を一意に決めることはできそうである。これを昨年秋にやって混乱したまま終わり、4月に再開した課題である。で、やっと、物理的にも計算技術的にも綺麗な解析ができて、界面の温度が平衡での気液共存温度からどうずれるかを示す式まで出せた。これが有限だということは、局所的には平衡での過冷却気体を熱伝導状態の一部として使う、ということである。

で、こういうのがでるというのが、中川さんと提案している僕たちの変分原理の結果でもある。勿論、僕たちは全てバルクの性質だけで決まる、と考えており、両者の関係は不明なことが多い。ただ、平衡状態の場合も、バルクの変分原理と界面からのアプローチの結果が完全に一致しているように、熱伝導状態に対しても同様な構造を期待している。