日曜日

空港で書いている。時間感覚がよくわからない。研究会のメインテーマが僕の主テーマと違っていることもあって、ほとんどの講演は、ふーん、という感じになっていた。非平衡統計もいくつかあって、クリスのショートカットの話、Julicher のグループの(PDたちが講演した)「新不等式」「新等式」の話は、面白く刺激になった。特に、後者のは、何のこっちゃ、、というか、新しい時代がきている感じがしている。金曜日だったかな、カレル、クリスと3人で飲んでいるときに、こういう新時代の話をしていた。(カレルはクリスチャンのコアエンジン。)クリスチャン、クリス、ホルヘ、関本さん、僕は1998年頃に非平衡統計で新しい可能性を模索していた旧世代人で、多分、僕たちがすぐに理解できないことが始まろうとしているのかもしれない。リソース理論などをばんばん使う量子熱力学も新世代研究で僕はそれを完全にフォローするのは多分無理なので捨てているが(=カテゴリー理論との関係で残しているものの)、Julicher グループの話は、こちらの言葉に翻訳して理解しないといけない気がする。

僕は、ゆらぎの理論関係では旧世代人に甘んじるとしても、「対称性の観点からのエントロピー」と「熱力学拡張」では、(真に)新しい地平を切り開こうとしている。前者は論文がでているだけでなく新作を順次発表する予定になっているし、後者は第一弾がもうすぐでる。どちらの話も僕にとっては強烈に面白く、次の10年はこれらに膨大な時間と労力を投入する予定になっている。

ゆらぎの研究も残しつつ、新しいテーマでも挑戦する、というバランスが必要なのだろう。若かりしとき、パタンダイナミクスの研究はほぼ完全にオフにして、ゆらぎの研究に切り替えたが、多分こんどはもう少しソフトにするかな。年とったせいかもしれないが、結果として、おそらくその方がいい。