日曜日

岩手で学会があった。色々と面白い講演や勉強になる講演もあったのだが、今回は、「熱伝導下の気液転移」に関する(インフォーマルな)話がたくさんあって、それに集中気味だった。特に、「数値実験はじめています」「理論的解析可能モデル考えています」「こんな実験どうでしょう」という話を学会で初めて聞いた。
厳密解析可能なモデルは、僕も考えたかったのだが、うまい案ができてなかった。その方が考えている方向は正解のような気がする。本当に解析可能かどうかはやってみないと分からないが、できないはずがない気がしている。
実験の提案は、なるほど…というもので、既に相談をしている方とは違う視点からのものだった。急遽、その視点でみた僕たちの理論がどのように変更されるのかを検討すると、現象としても新鮮で面白いことがあるんじゃないか、という気がしてきた。これは楽しみになってきた。
どちらも、内輪だけで考えている限りはでてこなかった話で、外に広がっていく感じが大変楽しい。こういうのを聞くだけで、学会にきた甲斐があったと思う。
学会に行く前にたてた宿題として、線形応答理論で「なぜ」計算可能にならないか、という論旨をつめ、あわよくばそれを踏まえて新しい形式をつくることをあげていた。。前半部分は、多分、完全に理解した。まだ清書ノートを書いていないが、はっきりと状況が見えてきた。後半部分は、いまだに苦しい。どうしても形式的な話になってしまうので、筋道が見えない。厳密解析可能モデルなどで具体的に議論するなどが必要かな。

学会講演では、低次元ハミルトン系カオスの緩和プロセスでの「information loss」の定量化に関する話が僕的には盛り上がった。理論で制御されている程度が分からなかったが、明快な話だった。17年前に僕はこの問題を懸命にやっていて、操作つき、かつ、リアプノフ解析を使って定量化しようとしていた。数値実験の結果は示唆的だが、それを理論的にきちんと制御できないままなのがずっとひっかかっていた。この機会にもういちど考えるか。。
ただ、平衡化のシナリオや平衡状態の特徴づけはラファエルさんと研究をすすめており、その立場とは直交している。そっちはそっちで面白くなりそうなんだが。(ノートを書く時間がとれないのだよなぁ。時間の余裕があれば、そっちのノートも書こうと思っていたのだが。)