水曜日

死んだはずのWang tiles: 概略を学習院で説明して、その事実はさらに強固になっている。しかし、2次元模型の範囲で秩序がある可能性が否定されたわけではない。タイルを詰めるという統計力学的にはもっとも自然な設定でなく、別の設定ならありえるかもしれない。例えば、間違った配置にエネルギーを与えるとか。勿論、それもすぐに考えてダメなことも確認ずみだし、もっと込み入った案も考えて、どうもうまくいかないなぁ、、というのも経験してきた。前の前の土曜日だな、確か。

8-Wang tiles は非常に美しいのだけれど、(おそらく)世界で(僕の周りの)数人しか知らず、僕がもっとも知っているはずだったけれど、今や、8-Wang tiles のマスターは田崎さんになってしまった。「知っていると思うけれど、○○という性質があるけど、、」「知りません....」というやりとりを繰り返しつつ、2次元系での秩序相が回復されんばかりの状況になってきた。[14-Wang tile も僕よりも茶碗谷が見えていた。ただし、14-Wang tile は知っている人は多い(はず)。]

昼過ぎに田崎さんから届いた模型は面白かったのだけど、秩序が強すぎて高温極限でも残ってしまう。腰も次第によくなっているし運動をした方がいいだろうと次女とゆっくりと散歩に出かけた。そのときに、その秩序を適度に壊す感じのイメージは分かってきた。帰宅後、田崎さんも、適度に壊せる改良模型があるかも、、とメールに書いていた。その時点で田崎さんのモデルの詳細は不明。

2週間後の研究会の準備をしたり、採点をしたり、散歩の疲れで眠ったりしながら、気になったので僕の改良模型のプログラムをさっと書いてみた。強烈に転移しそうだが、この問題ではぱっと見の数値実験は参考記録にしかならない。とかしているうちに、田崎さんとやりとりが始まり、田崎さんの改良模型を完全に理解した。数理的にすぐに色々なことが言えるようだ。しかし、(平衡統計力学としては定義されるけれど、動力学との関係が見にくい模型になっているので)、「うーん、僕的には受け入れがたい模型。」と返信。僕の改良模型は、田崎さんによると、「それだと、秩序の存在がちゃんと言える訳ではないし、やばいかもしれない。」らしい。悲しいかな、そのやばさは僕には見えていない。「両者の中間の模型なら、秩序が残ることがいえる可能性があって、それなら動力学としても健全。」ということなので、そういうあたりを明日からも少しウロウロするかな。

11月は外出もあって大変だ。2週間後の東工大の研究会では、Wang tiles の話をすることに今朝決めたのだが、、今日みたいに動いていると落ち着かないなぁ。そのすぐ後には京都の研究会もあって、そこではNemoto-Sasa を喋る。これも急速にピントを合わせていく必要がある。