日曜日

MCT論文の赤入れ。徹底的に見るのは最後のつもりでチェックする。

太田論文。最初の草稿は11月くらいにもらっていたのだけれど、構成の段階での議論でとまっている。今の版でもどうも核心部分が腑におちなくて時間をとって検討したが、まだよく見えない。数値実験でウラがとれているのでクレームは正しいのだろうけれど、論旨展開の仕方がまだクリアーになっていない。

この論文では、ランダムグラフ上ランダム磁場系の動的振る舞いが分岐路線で理解できると主張しているのだが、同じ路線で攻めた k-core percolation の場合と違って「とび道具」が使えない。7次元空間の力学系の相空間の変化をとらえたいのだけどごちゃごちゃしている。昔、M1 のときだったか、分岐理論を勉強しているとき、愚直路線でなく代数曲線の分類の話まではいっていったことがある。全く身につかないままに終わったが、そのときのことを思い出した。曲線を分類せよ、、ということだもんな。今の問題で愚直にやろうとするとこんがらなって眠ってしまう。あまり時間をとってはいけないので、切り上げどきを意識しないといけない。

分岐路線といえば、最近でた坂口さんの話は、12月に太田君と話をしていた路線そのままの研究だった。12次元程度の力学系の分岐としてガラス状転移(delocalization transition とよんでいる)を同定している。ゆらぎの発散(χ_4)もみている。僕たちは、この転移を力学系として丁寧にみたいのだが...。系の構造からして、Iwata-Sasa 第一号で議論した saddle-connection 分岐の可能性が高い気がするのだが、どうだろうか..。(坂口さん、茶碗谷さん、、力学系としてつめませんか???)

もちろん、実際の系はこの有限次元系がひろがったようなもので、たとえば、これをランダムグラフ上にのっけると Zamponi-Parisi 戦略とかぶってきて、僕たちの立場からの姿がみえてくるはずだが...。