水曜日

レプリカ解析の勉強。学会や研究会やセミナーや講義で何度も聞いたことだけど、自分で手を動かしたことがなかった。色々な動機があって、いよいよ手を動かすことにした。難しいことから入ると気が重いので、自分にとって最も素直なところからはいる。

ある分布に従って、M 個のサンプルが生成されるとする。M が十分大きいとき、その最小値の分布を問う。最小値でなくて平均値の分布なら、(一般化された)中心極限定理(=ガウス分布を含む安定分布に近づく..) という命題があるが、最小値の場合にも「ある種の普遍的分布」に分類される。ある分布がどんなべきより早く減衰する場合、"Gumbel 分布" というクラスになる。そのスケーリング関係を使って、状態点にエネルギーがランダムに割り振られた模型の統計力学を議論することができる。実際、状態点での重みの統計がある温度を境にがらっと変化することをべたべたに見ることができる。2^N 個の状態点全体に重みがわりふられた状態からO(1) 個の状態点に重みが局在する転移である。実は、この転移が1step RSB になっていて、その仮説のもとで正しい統計が再現できる。

RSB 仮設のtrick の気持ちのいい理解には遠いが、その転移で何が起こっているのかをその仮説なしでべたべたに計算していくことにより、少しは馴染みがでてきた。

もちろん、上の話をゼロからつくるほどゆっくりはしていなくて、Bouchaud-Mezard 論文を横においている。出だしの基本中の基本のところが中々理解できなくて、計算があわなくて混乱していたのだけど、論文の間違いではないか。単純なタイプミスだけれど、全くの初心者状態なので、まだ式に濃淡がついていなくて、おかしいなぁ、、おかしいなぁ、、と無駄に時間をつぶしてしまった。この論文、typo 多すぎ。