水曜日

5連休で9個の案件があったのだけど、面倒で最後の1件は後回しにした。でも8件は終了していたので、今日は、基本的にごろごろしていた。

まず、最新模型の交換MCの途中経過をのぞく。うーん、、、。転移がないともあるとも言えない。「頑張れー!」と声をかける。このアルゴリズムがすぐれている一つの点は、平衡化してなかったら、もうちょっと頑張れ、と続けれることにある。(低温でブロックされていても一旦高温にいってまた戻るというのを繰り返すアルゴリズムだが、ある時刻まで計算して平衡化してなかたら続きを計算すればいい。アニーリングだとダメならスタートに戻って再度挑戦になる。)ただ、当社比でいってもちょっと計算が遅く、試験レベルでこれでは話にならないので、改良しないといけない。(といっても、やはり僕では限界があるかなぁ。)

その間にできることをボチボチ。まずは高温展開から。摂動計算ではなくて、グラフ表現を書いて、別の問題との関係を見る。うまいこと低温展開と関係づければ、双対性で転移点の強い候補が分かる。こんな計算は学部生以来なんだが、ゆっくりやればそれほど難しくなく、綺麗なグラフ表現が分かった。しかし、素朴な意味で低温展開は訳がわからないので、双対性とかが使える感じがしない。(基底状態はCA ルール102 で書けるようなやつだからなぁ。)

風呂あがりに再度挑戦。今度は、高温展開のグラフをハードコア粒子系の問題に読みかえる。読み替えは簡単だが、そもそもこのタイプの統計力学が数値実験的にもできそうになかったので有限温度のスピンタイプの問題を考えたので、それに読み替えてもなぁ。。。うーん、、まてよ。しかし、基底状態がCA で書けることがわかっているのだから、このCA のこのlarge deviation が分かればいいんだよなぁ。この概形は、まぁ、こんなもんだろう。そうすると、これをルジャんドル変換して、こうしてああすれば、もとの問題の自由エネルギーで、おお、有限温度で非解析的になる!(しかも、condensation transition の描像のまんまではないか。。)

勘違いがあるかもしれないが、当面は、CAのlarge deviation を数値的に理論的に出すことを目指そう。

今日も熱力学ガラス転移の論文がarXiv にあがっていた。PRL に受理さたようだが、平衡化していない数値実験をいくらしても本当の熱力学のことなど何もわからないのに。今のところ、平衡化の壁を数値実験で突破して熱力学ガラス転移を見たと言っているのは、パリジ先生のだけ。(ジュリオたちのも出ないなぁ。平衡化が大変でどうしようもない、、とレビュー論文で言い訳してあったが、まぁ、そうなんだろうな。パリジ先生のも僕は完全には信用していない。)

実験に関係ないといわれようと、無茶苦茶遠回りにみえようと、「有限次元系で熱力学ガラス転移を示す模型を確実に提案すること」が、現在のガラスの理論で、もっともっとも大事なことだと考えている。こういう「大事なこと」というのは、突破口が出た後で言っても仕方ない。まだ実質的に誰も出していないから、「大事だ」という価値があるのだと僕は思っている。