土曜日

朝、「よし、今日は、これとこれとこれとこれだな..」 と文書類を用意する。で、向かいはじめたけれど、精神的エネルギーがでない。肉体的疲労感も覚えて、急速にダウンする。結局、19:30現在、何一つ手つかずだった。

で、基本的に寝ていたのだけれど、寝ている間にJona-Lasinio 問題にピントがあってきた。彼の設定のもとでの彼の主張は多分間違っている、というところまで理解した。(一般性がないだろうというのは昨日までに見ていた。)

"NESS でのlarge deviation function は、ゆらぎをつくるのに必要な仕事の半分" というのが、Jona-Lasino 講演の主張のひとつだった。(非平衡熱力学との関連では、それが主たる命題。)僕は、それが操作的になっていない、、ということをコメントしたわけだけど、より技術的に、その主張そのものが極めて脆弱で特殊な模型でしか成立しないだろう、というのが、今の見解である。この点については、僕が誤解している可能性も多々あるので、きちんんと理解を深め、再来日の際に議論できるようにしよう。

ところで、その主張をはじめて耳にしたのは、大野さんからで、かれこれ12年ほど前である。ところが、中々理解できない。算数としては自明な反例などはあるけれど、ちゃんとしたマクロな系で確かめるのは難しくてよくわからなかった。それ以来、何年かに一度くらいこの問題は湧いてきたのだけれど、わからないので捨てていた。千葉学会でしゃべった非平衡度の2次までの範囲で、large deviation をエントロピー生成で書くのは、その延長上で自分にとってもっとも素直で一般的な表現を模索した結果だった。(本来なら論文にはしないのだけれど、2年前のヨーロッパ遠征にあわせて論文を書いた。書いてよかった。すばやく思い出すことができる。)今回、ずっともにょもにょしてきたものを表に出すのは最適な機会なので、これを逃さずに焦点をあわそう。

あ、"NESS でのlarge deviation と NESS に拡張された熱力学関数の関係" を明らかにすることが本来の動機である。デリダさんの10時間講義の最後の最後にこれからの問題としても紹介されたこの問題は、まだ途方もない。ともかくひとつの模型で両方計算することからはじめるのは自明なスタートアップで、まぁ、少なくともそこまではできる。