土曜日

プサン会議終了。

宮崎さん、池田さんの「次元が大きくなるにつれてMCT eq は破綻していく」というのは、重要な知見だと思う。それを補う形で、「MCT eq が漸近的に厳密に成り立つかもしれないモデルと状況を提案している」のも素晴らしい。ガラスに関わる多粒子系の動力学について、もうちょっとで鮮やかに見える気がする。[川崎先生とはその点についてあれこれとお話させていただいた。]

金さんの多時間相関の話や山本さんの話は、上記の意味で捉えられない部分のゆらぎに質的に重要なものがあることを示唆している。「動的不均一性」という言葉をχ_4の増大だとするのは安易であって、より高次のゆらぎこそがStokes-Einsein の破れにも関わっていて、かつ、その時間尺度は構造緩和ではないという予想は、もしそうだとして一体何が起こっているのか僕にはまだ消化できない。そういう論点を明示的に理解できてよかった。[古川さんの時間尺度に対応する物理的過程もきちんと理解したい。関係あるのか、ないのか、、、。確かにあるかもしれない。]

ぼんそう=きむさんやじゅんひょん=よーさんのように、多体問題を丁寧に分析するのは不可欠なことで、自分たちがいずれ乗り出すときにも参考になることが多いだろう。香港でのぱりじ先生の講演が夕食で話題になったが、やはりちゃんと検討しないといけない。「完全な理論」って何や。。。

レオロジー非線形(異常)輸送問題は、単純で明晰な例題を提案することが大事だと思う。講演であった話だけでなく、インフォーマルに聞いたのも面白かった。十分に刺激を受けた。

僕は、非平衡多体系の質的に新しい様相を暴く方向の研究をしたい。頑張ろう。